モルドバ大統領選、決選投票へ

(モルドバ)

ブカレスト発

2020年11月04日

モルドバ大統領選挙が11月1日に実施された。前首相で行動連帯党(PAS)党首のマイア・サンドゥ氏が最多得票となったが、次点の現職大統領イゴル・ドドン氏と僅差のため、決選投票にもつれこむことになった。

モルドバ中央選挙管理委員会が11月3日に発表した暫定結果によると、サンドゥ氏の獲得票は48万7,635票(全体の36.16%、無効票は除外)だった。2位はドドン氏の43万9,866票(全体の32.61%)で、この両氏が11月15日の決選投票で対決することになった。

総投票者数は136万4,597人。投票率は42.76%で、前回2016年の大統領選(49.18%)を下回った。立候補者数は8人で、うち上位4人の得票者は添付資料表のとおり。

モルドバ国内メディアによる事前評価では、親ロシア派の現職ドドン氏有利との見方が大半だったが、サンドゥ氏は在外モルドバ人による投票総数14万9,178票の約7割に相当する10万4,605票を獲得して、これを覆した。また、首都キシナウにおいても、サンドゥ氏の支持(13万991票、45.20%)がドドン氏の支持(9万9,007票、34.17%)を大幅に上回った。

今後の決選投票では、3位のレナト・ウサトゥイ氏、4位のビオレタ・イワノブ氏の支持層を、両陣営がどれだけ取り込めるかが焦点となる。

今回の大統領選において、サンドゥ氏は「ドドン氏陣営は贈収賄をはじめ300件以上の選挙違反を犯している」と主張。警察への訴状提出をはじめ、非難の声を強めている。モルドバでは汚職問題が根深く、今回の大統領選でそれがあらためて浮き彫りになった。

(ミンドル・ユニアナ)

(モルドバ)

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