米ウォルマート、アルゼンチン事業を売却

(アルゼンチン、米国)

ブエノスアイレス発

2020年11月13日

米小売り大手のウォルマートは11月6日、アルゼンチンでの事業をグルポ・デ・ナルバエスに売却すると発表した。株式を全て売却する。ウォルマート・アルゼンチンは1995年11月にブエノスアイレス州アベジャネダ市に最初の店舗を開いて営業を開始。同社はコンビニ形式のチャンゴマス、ミ・チャンゴマス、大型スーパーのスーペルセントロ・ウォルマート、プント・マジョリスタの異なる4つの形態で92店舗を展開している。スーペルセントロ・ウォルマートは事業譲渡期間後に名称を変更し、それ以外は同じ名称で営業を継続する可能性がある。

売却先のグルポ・デ・ナルバエスは、コロンビアとアルゼンチンの国籍を有するフランシスコ・デ・ナルバエス氏が経営する同族経営の企業で、コロンビアで最初の小売店を開店後に事業を拡大。エクアドルではティア、ウルグアイではタタ、バス、サンロケ、ムルティ・アオロといったスーパーマーケット、衣料品専門店、薬局やECサイトを展開する。今回の買収により、アルゼンチン、エクアドル、ウルグアイなど9カ国に656店舗、2万4,500人以上の従業員を抱えることになる。

ウォルマートは、2018年にブラジル事業を米投資ファンドのアドベント・インターナショナルに売却。2020年10月2日には、英国事業を英EGグループの経営陣と英投資ファンドのTDRキャピタルに売却すると発表していた。

11月6日付の現地紙「ラ・ナシオン」電子版は、ウォルマートのアルゼンチンからの撤退は、アルゼンチンの厳しい事業環境によるものではなく、「不採算事業を見直し、ネット通販や米国市場への集中するため」と報じている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン、米国)

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