第3四半期のGDP成長率、前年同期比2期連続のマイナス成長

(インドネシア)

ジャカルタ発

2020年11月16日

インドネシア中央統計庁(BPS)は11月5日、2020年第3四半期(7~9月)のGDP成長率を、前年同期比マイナス3.49%と発表した(添付資料図参照)。GDPの約9割を占める家計消費や固定資本形成のマイナス成長が主な要因で、第2四半期から2期連続のマイナス成長となった。他方、前期比では5.05%のプラス成長を記録した。

BPSの発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、第3四半期の支出面のGDP成長率は、公的支出(9.76%増)を除く全ての項目で前年同期比マイナス成長となった(添付資料表参照)。GDPの約57%を占める家計消費支出(マイナス4.04%)、約31%を占める固定資本形成(マイナス6.48%)は、前期よりマイナス幅は縮小しているものの、厳しい状況が続いている。輸出(マイナス10.82%)と輸入(マイナス21.86%)についても2桁のマイナス成長となった。

生産面では、GDPの約2割を占める製造業が、前年同期比マイナス4.31%だった。そのほか、GDPに占める割合が比較的大きい建設(マイナス16.70%)、卸売りおよび小売り・二輪四輪修理(マイナス5.03%)でもマイナス成長が続いた。一方、GDPの約15%を占める農林水産業は、海外市場におけるパーム油と大豆の価格上昇から、2.15%のプラス成長になった。農業省のクントロ・ボガ・アルディ報告局長によれば、農業分野は2021年まで成長傾向にあると予測されている(「デティク」紙11月5日)。

地域別では、全ての地域がマイナス成長で、特にGDPの約6割を占めるジャワ島がマイナス4.0%になった。首都ジャカルタのGDP成長率はマイナス3.82%と、前期に続きマイナス成長だった。

スリ・ムルヤニ財務相は11月10日、インドネシア経済に関して、2021年の第2四半期、第3四半期には少なくとも5%台の回復フェーズに入る、との見通しを示した(CNNインドネシア11月10日)。BPSのスハリヤント長官は「経済は減退を続けているが、第2四半期と比較し、明らかな改善がみられる」とし、「第4四半期には、社会制限のさらなる緩和に伴い、経済活動が一層改善されることを期待する」との考えを示している(「ジャカルタ・ポスト」紙11月5日)。

(デシー・トリスナワティ、尾崎航)

(インドネシア)

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