AEA2020、タイの食品素材スタートアップが優勝

(タイ、マレーシア、中国)

アジア大洋州課

2020年11月10日

アジアのテック系スタートアップが、社会課題解決型のビジネスプランを競う「アジア・アントレプレナーシップ・アワード(AEA)2020外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(会期:10月27~29日)において、フードロス(食品廃棄物)削減の新素材を提案したタイのエデン・アグリテック外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Eden Agritech)が優勝した。

AEAは、日本の公的機関、民間企業、教育機関が共催するアワードで、さまざまな社会実証プロジェクトが進む「柏の葉エリア」(千葉県柏市)において2012年から開催されている。ジェトロはAEA2020から共催者として初参加した。審査は、スタートアップのビジネスプランの革新性や経済的・社会的影響力、事業の実行力、日本の大企業との連携可能性などについて、ピッチ(プレゼンテーション)を基に行われた。9回目を迎えた今回はオンラインで開催され、12カ国・地域(オーストラリア、中国、インド、日本、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、ロシア、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム)から選出された30社が参加し、ニューノーマルの世界で重要な4つのテーマ(ヘルスケア、コミュニケーション、働き方改革、Quality of Life)に関連するソリューションを披露した。

写真 スクリーン上のEden Agritechから、ビジネスプランの説明を受ける審査員 (アジア・アントレプレナーシップ・アワード運営委員会提供)

スクリーン上のEden Agritechから、ビジネスプランの説明を受ける審査員 (アジア・アントレプレナーシップ・アワード運営委員会提供)

優勝したエデン・アグリテックは、生鮮食品の約4割が流通過程で鮮度劣化し、廃棄などされる現状に着目。自社開発した無色透明な可食フィルム素材を塗布することで、果物や野菜を劣化から守り、廃棄物とコストの削減を同時に達成するビジネスを提案した。審査員は、同社が対象とする市場の規模と、ごみの削減による社会的インパクトを高く評価した。2位には、ニチウム・テクノロジー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Nitium Technology 、マレーシア)、3位にはワンサイト・テクノロジー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Onesight Technology、中国)が選ばれた。それぞれ、特殊合金による低コストの歯科用インプラント素材、建設現場の状況をリアルタイムで可視化するサービスを提案した。日本から参加したMantra外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、高精度な機械翻訳を用いて迅速に英語版の漫画を提供するビジネスを提案し、特別賞を受賞した。

(山城武伸、佐藤澄)

(タイ、マレーシア、中国)

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