カナダBC州総選挙、州政権与党・新民主党が歴史的勝利

カナダのブリティッシュ・コロンビア（BC）州で10月24日、総選挙が実施され、CBCニュース（10月25日）など現地報道によると、州政権与党の新民主党が87議席中55議席を獲得し、単独過半数を確保した。改選前から14議席を増やし、州民から高い評価を受けてきた新型コロナウイルス対策などのアピールに成功した現政権の圧勝となった。同党が議席の過半数を占めるのは1996年以来で、ジョン・ホーガン州首相は同党史上初めて2期連続で首相を務めることが予想されている。一方、12議席を失い大敗を期したBC自由党のアンドリュー・ウィルキンソン党首は26日、党首からの辞任を発表した。

前回選挙の後、新民主党と自由党の政権争いの中で、新民主党と組むことで連立与党となったBC緑の党は、改選前2議席から1議席増やして3議席とした。

今回の総選挙は、改選前の議席数で新民主党とBC自由党が41議席ずつを占め、勢力が拮抗（きっこう）する中、より安定した政権運営を望むホーガン首相が9月21日に解散総選挙を宣言したことを受けて、行われた。なお、BC州で緊急事態宣言が発令される中で選挙が実施されるのは第二次世界大戦以降で初となり、70万人以上の有権者が郵送投票および不在者投票を選択した。この開票は手作業で行われ、かつ投票の有効性の確認作業を伴うため、選挙の最終結果が得られるまでに数週間かかる見込みだ（CTVニュース10月18日）。ただし、今後の開票結果が影響しそうな10の選挙区のうち、新民主党が失う可能性があるのは4議席にすぎないことから、大勢に影響はないとみられる（11月2日時点）。

（江崎江里子）