米テキサス州、バーの再開容認も一部自治体は反対

(米国)

ヒューストン発

2020年10月09日

米国テキサス州のグレッグ・アボット知事は10月7日、バーの店内営業を10月14日以降、収容人数の50%以下で再開することを認める州知事令PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発出した。

今回の対象は、7日連続で新型コロナウイルス感染症の入院患者数が病院の収容能力の15%以下に抑制されている郡で、郡判事が再開を認める場合に限る。ヒューストン、サンアントニオ、ダラス、オースティンなどの主要都市を含む郡は10月6日時点で上述の基準に抑えられている。

バーの営業については、感染拡大が顕著になった6月26日以降、閉鎖命令が出ていた。アボット知事が9月に同州の経済再開の前進を発表した際も、バーは再開対象に含まれなかったが、知事は可能な限り安全に配慮して営業再開の道を模索すると表明していた(2020年9月18日記事参照)。

一方、一部自治体は営業再開を認めない方針だ。ハリス郡(郡庁所在地ヒューストン市)のリーナ・ヒダルゴ判事は10月7日の声明で「郡の意思決定の基となるデータによると、状況は数カ月前から改善している。しかし、依然として郡の警戒レベルは最上位にあり、バーを含め、現時点では屋内でマスクなしで人が集まるべきではない」と述べている。

ダラス郡(同ダラス市)のクレイ・ジェンキンス判事も自身のツイッターで、警戒レベルは以前より下がっているものの、感染者数は増えており、現時点では同郡での営業を認める考えがないとしている。ベア郡(同サンアントニオ市)も同様に現時点では認めない考えだ。

なお、タラント郡(同フォートワース市)のグレン・ウィットニー判事は同日、「州知事令を精査中であり、地域の安全と郡経済の回復を同時に進めるための次のステップを検討している」と述べている(「ダラス・モーニング・ニュース」紙10月7日)。トラビス郡(同オースティン市)も対応を目下協議中という。

なお、テキサス州の経済再開のこれまでの動きは添付資料を参照。

(桜内政大)

(米国)

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