ヨルダンの感染者、2週間でほぼ倍増、2020年GDP成長率はマイナス5%予測

(ヨルダン、エジプト)

カイロ発

2020年10月29日

ヨルダンで10月27日、新型コロナウイルスの1日当たり新規感染者は過去最多の3,800人となった。ヨルダン保健省によると、感染者累計は10月14日に2万8,127人だったが、27日には5万8,855人となり、2週間でほぼ倍増した。死者の累計は14日に225人だったが、27日は668人で約3倍となった。同省は、最近の急増はPCR検査数が多かったためで、医療崩壊には至っていないとの見解を述べた。ヨルダンは国境封鎖や外出禁止措置など早くから実施し、これまで感染を比較的抑え込んでいた。しかし最近は、9月から国際線商業便の再開や外出制限の解除など行っていた(2020年9月7日記事参照)。

感染対策として、政府は不定期に週末などの外出制限、平日の夜間外出禁止などの措置を実施する。陸路国境での一般人の入国制限は10月29日の解除だが、陸路における事前PCR検査や自宅隔離など入国の条件は課せられる。保健省はマスクの着用義務、20人以上の集会の禁止、新型コロナウイルス感染対策アプリの利用も呼びかけている。

IMFが10月13日に発表した「世界経済見通し」によると、2020年のヨルダンの実質GDP成長率は、新型コロナウイルスの影響によりマイナス5%と予測されている。ヨルダン投資庁は、観光や輸送、教育、小売り関係で大きく打撃を受けているとする一方、保健・衛生分野では複数のプロジェクトへの取り組みに注力しており、外資誘致を強く求めている。

(井澤壌士)

(ヨルダン、エジプト)

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