使い捨てプラスチック製ストローなどイングランドで禁止に

(英国)

ロンドン発

2020年10月08日

英国政府は10月1日、イングランドで使い捨てプラスチック製ストロー、プラスチック製マドラー、プラスチック軸綿棒の供給を禁止する規制を施行した。英国環境・食料・農村地域省(DEFRA)は同規制を当初4月に施行することを予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大によるビジネスへの影響を考慮し、10月に延期することとしていた。

DEFRAによると、イングランドでは毎年、プラスチック製ストロー約47億本、プラスチック製マドラー約3億1,600万本、プラスチック軸綿棒約18億本が消費されており、同規制はこれらの海洋汚染による環境に深刻な悪影響を与えている廃棄プラスチック製品の排出を抑制することを目的としている。

製造業や小売業を含めた各企業は、有償か無償かを問わず上記3種類の使い捨てプラスチック製品の提供が禁止され、違反すると、罰金が科される場合がある。ただし、障害や疾患がある人は、飲食店でプラスチック製ストローを要望することや、登録された薬局でのプラスチック製ストローを購入することが許可される。また、科学目的で使用するプラスチック軸綿棒などは対象外となる。なお、2020年10月1日以前に購入した上記3種類の使い捨てプラスチック製品は、2021年4月1日まで提供することが認められる。

さらに、2021年7月3日以降、パッケージに使い捨てプラスチック製ストローを付けた飲料製品の提供が禁止される。

イングランド以外の英国自治政府の使い捨てプラスチック製品の規制については、ウェールズ自治政府が、上記3種類の使い捨てプラスチック製品に加え、スプーン、皿などの使い捨てプラスチック製品の供給禁止の法案の公開諮問を7月30日から開始しており、スコットランドでは、プラスチック軸綿棒を禁止する法律が2019年10月12日に英国で初めて施行されている。このほか、全国で洗顔用化粧品などへのマイクロビーズの使用が既に禁止されている。

また、DEFRAは「新型コロナ禍」の一時的な対策として、2015年10月からイングランドで実施したレジ袋有料化(代金を1枚0.05ポンド)措置について、オンライン上で購入した宅配食品に関して3月21日から9月21日まで一時的に停止していた。一方、2021年4月からは、イングランドで、レジ袋有料義務化の範囲をこれまでの大規模小売業から全ての小売業者に拡大、代金も1枚0.10ポンドに引き上げ、規制が強化される。

(アダオラ・キング)

(英国)

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