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連邦政府、2021~2023年の3カ年予算法案を下院に提出

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2020年10月08日

ロシア連邦政府は、2021~2023年の3カ年予算法案を下院に提出した。原油価格下落による歳入減と「新型コロナ禍」対策を主とする歳出増で、財政収支は赤字に転じる見込みだ。政府は増税と緊縮財政に努めるが、公約である国家プロジェクト向けの支出拡大は維持する。法案は下院と上院での審議を経て、大統領が署名すれば発効する。

予算法案の概要は添付資料表のとおり。2020年の歳入(見込み)は、原油価格下落を受け、主要な財源である石油天然ガス収入(注1)が前年比35%減となる。非石油天然ガス収入も、「新型コロナ禍」の影響を受けて付加価値税(VAT)、法人税、物品税、輸入関税の税収がいずれも前年に比べ減少するが、ロシア中央銀行が保有する最大手行ズベルバンク株の売却益が下支えし、総額では前年比3.8%増となる見通しだ。

2021年以降は、原油価格の持ち直しによって石油天然ガス収入が持ち直し、国内景気回復に伴いVAT、法人税、輸入関税も増加すると見込んでいる。加えて、鉱物資源採掘税(注2)、個人所得税(注3)、たばこ税の増税などにより、税収拡大を図る。

歳出は、2020年に「新型コロナ禍」対策で支出を拡大する反動で、2021~2022年は緊縮財政とするが、2023年に歳出増に戻すとしている。2020年は連邦政府準備金(注4)の積み増しのほか、衛生防疫分野への支出、子供を抱える家族向けの社会的給付を拡充する。プーチン政権の公約である13分野の国家プロジェクトについては、その実現に向け毎年支出を増加し、とりわけ出生率向上やがん治療センター整備などに注力する。

財政収支は、2018~2019年の黒字から一転、2020年はGDP比4.4%の赤字とする。2021年以降も財政赤字は継続するが、2022~2023年には1%台にとどめる見込みだ。財政赤字の補填(ほてん)は主に国債発行によって賄うが、2020年と2021年に限り、国民福祉基金(注5)の大規模取り崩しを行う。

(注1)主に、鉱物資源採掘税、輸出税で構成される。

(注2)鉄鉱石、非鉄鉱物、鉱物肥料などの採掘に対する税率を3.5倍に引き上げる。

(注3)課税率を、一律13%から、500万ルーブル(約700万円、1ルーブル=約1.4円)を超える所得部分に対して15%を適用する。

(注4)予期せぬ事態への準備のために毎年、歳出総額の1%以下で積み立てることができる資金。

(注5)石油天然ガスの輸出余剰金の一部を積み立て、インフラプロジェクトや開発金融機関への資金供給、対外債務返済などに活用されている国家ファンド。

(齋藤寛)

(ロシア)

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