政府、新型コロナ対策として密を避けるための規制を強化

(オーストリア)

ウィーン発

2020年10月21日

オーストリアのセバスティアン・クルツ首相は10月19日の記者会見で、新型コロナウイルス感染対策として、主に人の集まりに関する規制の強化を発表した。新たな規制は10月23日午前0時から実施される。9月半ばごろから感染者数が急増し、集中治療室に入院している患者も増えていることから、政府はより厳しい規制の強化に踏み切った。健康・食料品安全公社(AGES)が感染場所を分析した結果、プライベートイベント(若者のパーティー、スポーツクラブなど)で多くのクラスターが発生していることから、政府は個人のイベントの規制強化を含む措置を実施する。主な内容は以下のとおり。

  1. 屋内の集まり(レストラン、スポーツクラブのグループレッスン、ダンス教室、結婚式、パーティーなど)は現在の10人から6人に、屋外の集まりは現在の100人から12人に人数制限を強化。ただし、葬儀は例外。
  2. 興行イベントは、指定席がある場合のみ開催可能。人数制限も強化され、屋内イベント(演劇、オペラ、コンサートなど)は現在の1,500人から1,000人に、屋外は現在の3,000人から1,500人に制限。また、上演中はマスク着用が義務化され、飲食は禁止。

このほか、地方自治体が必要に応じて、外出制限や密になりやすい公共の場所でのアルコールの禁止、マスク着用の義務化、独自の隔離措置などの規制を導入することが可能となる。

政府は、保健当局がこれらの措置が守られているかどうかを厳しく管理していく方針を示した。

(エッカート・デアシュミット)

(オーストリア)

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