感染再拡大で10月3日にも首都マドリードを再封鎖へ

(スペイン)

マドリード発

2020年10月02日

スペイン保健省は10月1日、新型コロナウイルス感染の急拡大を受けた、都市封鎖を含む以下の新たな措置を官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載した。措置の概要は以下のとおり。

  • 市町村をまたぐ移動を制限:通勤、通院、通学、介護、行政・司法手続きなどを除き、対象自治体への不要不急の出入りを制限。3~6月に実施された外出制限とは異なり、自治体内の移動は可能。
  • 7人以上の会合を禁止:公共・私有の場所を問わず6人まで。ただし、ビジネス目的の会合・集会は規制対象外。
  • 飲食店・商店の営業制限:収容率を定員の75%から50%に引き下げ、閉店時間を午後10時までに制限。飲食店はカウンター席の営業を禁止。

上記規制は、全国を対象としたもので、人口10万以上の都市で、過去14日間の感染者数が10万人当たり500人以上、過去14日間のPCR検査の陽性率が10%超、所在する自治州の集中治療室(ICU)の病床占有率が35%超、の3つの条件を満たす自治体に適用される。また、自治州は保健省と定期的に協議し、措置の対象自治体の見直しを行う。

現地の複数紙によれば、空港や主要鉄道駅、幹線道路でのアクセス取り締まりも予想されている。

なお、現時点でこの適用要件を満たすのは、マドリード州のマドリード市を含む10自治体のみ。同州は警戒事態宣言が解除された6月21日から10月1日までの間に、過去14日間の感染者数が10万人当たり18.08人から695.91人へと感染状況が著しく悪化し、全国平均の274.8人の2.5倍に達しており、欧州でも最悪の水準となった。

マドリード州は9月21日から、過去14日間の感染者数が10万人当たり1,000人超の市周縁部で上記と同様の規制を適用していたが、政府は首都マドリードを封鎖し、感染再拡大に歯止めをかけるよう要請していた。同州政府は経済への影響懸念から封鎖を拒否していたが、政府は9月30日に、保健省と全自治州の保健当局による協議会を招集、同州の反対を押し切り、上記の封鎖基準を決定した。該当自治体は48時間以内に適用するよう、官報で義務付けた。

同州政府は、今回の決定に反発して法的措置を検討しつつも、決定はいったん順守する意向を示しており、州政府の正式な政令が待たれる。

(伊藤裕規子)

(スペイン)

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