青島市、新型コロナ新規感染者増に伴い防疫体制を強化

(中国)

青島発

2020年10月16日

10月11日に、青島市でのコロナウイルス無症状感染が新規に3件発生した。うち2件は病院での受診者に対する検査、1件は濃厚接触者から判明した。3件とも、新型コロナウイルス感染者対応を担う病院との関連性が強い事例だったことも問題になった。

これを受けて青島市では、検査強化、新規感染者の発見、周辺地域も含めた対策のさらなる強化に乗り出した。無症状感染者が出た病院が所在する社区は「中リスク区域」に指定されるとともに、青島市全市民を対象としたPCR検査が実施されている。PCR検査は、市内5区は3日以内に、市全体では5日以内に終えることとされ、11日深夜から市内各地にテントが張られ、12日早朝から深夜まで市民が行列をつくった。

青島市の発表によると、10月15日午前8時時点で994万人強のPCR検査が完了し、764万人強の分析を終えた。12~14日の山東省内の確定症例数は13件で、無症状感染者数として5件が新規に報告されており、今後の推移が注目される。

青島市外の各地域でも、青島市からの入境者に対する管理が強化されている。山東省の省都・済南市では、青島市からの入境者に対して2回のPCR検査、1回の血清抗体検査、7日間の健康チェックを課すとしている。他省・他都市でも、特定日以降に青島市から入境した者に対して所属社区への自己申告や一定期間の自主隔離を促す、集会などへの参加の自粛を求める、といった規制が設けられており、地域をまたいで移動する場合には、移動先での規制の最新情報にも留意が必要になっている。

写真 PCR検査に並ぶ青島市民(ジェトロ撮影)

PCR検査に並ぶ青島市民(ジェトロ撮影)

(吉川明伸)

(中国)

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