豪・NZの第3四半期消費者物価指数(CPI)、ともにプラス転換

(オーストラリア、ニュージーランド)

シドニー発

2020年10月29日

オーストラリア統計局(ABS)は10月28日、2020年第3四半期(7~9月)の消費者物価指数(CPI)が前期比1.6%上昇したと発表した。統計開始以降72年間で最大の落ち込みを記録した前期(1.9%低下)から一転し、前年同期比でも0.7%上昇となった。

前期の大幅下落の要因だったチャイルドケア(保育制度)や就学前と初等教育の無償提供が終了したことや、原油価格の回復によるガソリン価格の上昇が大きく寄与した。また、在宅勤務用のオフィス家具や冷蔵・冷凍庫などに対する需要が高まったことから、家具(6.4%上昇)、家電(5.3%上昇)などで顕著な上昇が見られた。都市別にみると、ブリスベンとキャンベラがどちらも2.3%上昇と大きく、シドニー(1.8%上昇)、パース(1.8%上昇)、ダーウィン(1.7%上昇)が続いた。感染再拡大による制限措置が続いていたメルボルンでは0.9%上昇となった。

ニュージーランドでも0.7%上昇

ニュージーランド統計局は10月23日、2020年第3四半期のCPIが前期比0.7%上昇したと発表した。前年同期比でも1.4%上昇した。主に青果(12.0%上昇)、家電(5.5%上昇)、不動産・関連サービス(2.9%上昇)などの価格上昇が影響した。

IMFが10月13日に発表した最新の世界経済見通しによると、オーストラリアのCPI上昇率は2020年に0.7%となり、2021年に1.3%、2022年に1.5%、2023年には1.9%と緩やかに回復することが見込まれている。ニュージーランドについては、2020年に1.7%となった後、2021年は0.6%に落ち込み、2022年に1.2%、2023年には1.6%と次第に回復していくと予想されている。

(住裕美)

(オーストラリア、ニュージーランド)

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