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米副大統領候補討論会、新型コロナ対応などで白熱の議論

(米国)

ニューヨーク発

2020年10月09日

米国大統領選挙の副大統領候補による討論会が10月7日、ユタ州ソルトレークシティーで開催された。現職の共和党副大統領マイク・ペンス氏と民主党候補のカマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア州)が新型コロナウイルス対応や経済・通商政策、医療保険、対中政策、エネルギー政策などの分野について90分間で議論を交わした。なお、副大統領候補による討論会はこの1回のみ。

9月29日に実施された第1回の大統領候補討論会が「混沌(こんとん)」と評された(2020年10月1日記事参照)中、政策的な議論が展開されるか注目されたが、米メディアは、今回の副大統領候補討論会では正常な討論が行われたと評価している。司会は「USAトゥデー」のスーザン・ペイジ氏が務めた。

最も議論が白熱したのは冒頭の「新型コロナウイルスへの対応」だ。ハリス氏はトランプ政権の対応について「米国民は政権として米国の歴史上最大の失敗を目の当たりにした」と述べ、感染拡大以前に大統領が新型コロナウイルスの脅威を知りつつ、公にはその脅威を軽視する発言をしたことを強く批判した。ペンス氏は、ウイルスの発生源とされる中国からの渡航者の入国を速やかに停止したこと(2020年2月3日記事参照)や、ワクチンの迅速な開発を推進していることを挙げ、現政権の対応がなければより多くの犠牲者が出ていたと反論した。また、民主党のバイデン陣営の対応策について、「(われわれの政策を)盗作しているように見える」と指摘した。

経済政策でも対照的な立場が鮮明となった。税制についてハリス氏は、バイデン政権が誕生した暁には初日にトランプ政権が成立させた大型減税法を撤廃するが、年収40万ドル未満の層には増税をしないと発言した。ペンス氏は大型減税法の撤廃は中間層への増税につながると指摘し、議論は平行線をたどった。医療保険では、ハリス氏がトランプ政権はオバマケア廃止を掲げている点を批判。ペンス氏は、オバマケアは大失敗であり、トランプ政権はそれを改善させる計画があると反論したが、具体論へ入ることは避けた。中国との通商関係について、ハリス氏は、トランプ政権は中国との「貿易戦争に負けた」と指摘。ペンス氏は「バイデンは戦いもしなかった」と返した。

気候変動・エネルギー政策では、ペンス氏がバイデン陣営は規制を強化し、フラッキング(注)を禁止し、化石燃料を廃止し、米国のエネルギー産業を破壊すると追及した。ハリス氏は、バイデン陣営はフラッキングを禁止しないと明言しつつ、パリ協定に復帰し、クリーンエネルギー・再生可能エネルギーで雇用を創出していくと反論した。

討論会直後のCNNの世論調査では、59%がハリス氏勝利、38%がペンス氏勝利との結果が出ている。選挙分析の専門家のラリー・サバト米バージニア大学教授は討論会直後に、今回の討論会が選挙の流れを変えることはないとしつつ、新型コロナウイルス対応での応酬が目立ったことは、既に有権者が現政権の対応を低く評価している中、トランプ陣営にとっては不利に働く可能性があると指摘した(ブルームバーグ・ニュース10月7日)。

第2回の大統領候補討論会は10月15日にオンラインのタウンミーティング形式で予定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされているが、トランプ氏はリモート形式での参加を拒否し、トランプ陣営は討論会の1週間延期を提案するなど、15日開催の見通しは現時点で立っていない。

(注)化学物質を含む高圧水を使用したシェールガス・オイルの掘削方法で、環境汚染や地盤への影響を懸念する見方がある。

(磯部真一、永田光)

(米国)

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