ラフモン大統領5選、長期政権が継続

(タジキスタン)

タシケント発

2020年10月13日

中央アジアのタジキスタンで10月11日に大統領選挙が実施され、現職のエモマリ・ラフモン氏が圧勝した。中央選挙・国民投票委員会が10月12日午前に発表した開票結果速報(注1)によると、ラフモン氏の得票率は90.92%に達し当選を確実にした。投票率は85.39%で、前回選挙(2013年86.64%)をわずかに下回った。

大統領の任期は7年。ラフモン氏は1994年から大統領を務めており、5期目(注2)となる今回の任期は2027年まで、通算30年以上の長期政権となる。

今回の選挙には、ラフモン氏(人民民主党)のほかに、共産党、社会党、農業党、経済改革党の4つの政党の候補者が各1人立候補した。選挙戦でラフモン氏は、2027年までに中流層(平均収入を得る住民)の割合を全体の45%まで引き上げるといった政策目標を掲げた。

中央選挙・国民投票委員会は10月11日夜に記者会見を行い、「今回の選挙に関し違反行為は報告されていない」と発表している。

世界銀行が10月7日に発表したレポートによると、タジキスタンの2020年の経済成長率(推計)はプラス1.6%。「新型コロナウイルス禍」による経済への打撃の克服が引き続き喫緊の政策課題となる。

(注1)選挙実施後10日以内に確定結果が発表される。

(注2)タジキスタン憲法では大統領の連続3選は禁止されているが、2016年の憲法改正により「平和と国民統一の創設者、国家のリーダー」とされるラフモン大統領には、同規定は適用されないこととなっている(第65条)。

(髙橋淳)

(タジキスタン)

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