米ニューヨーク州、新型コロナ感染者密集地域に最低14日間の活動規制導入へ

(米国)

ニューヨーク発

2020年10月09日

米国ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事(民主党)は10月6日、州内で新型コロナウイルス感染者が集中するクラスター(感染者密集地域)からのさらなる感染拡大を阻止するため、各クラスターと周辺地域を3段階のゾーン(赤、オレンジ、黄色)に分け、各ゾーンで教育機関やビジネスに対し最低14日間の活動規制をかけると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。規制は遅くとも10月9日までに発動する。

規制の対象地域は6カ所で、ブルーム郡PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)ブルックリンPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)オレンジ郡PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)ロックランド郡PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に1カ所ずつ、クイーンズに2カ所(ファラコウェイ周辺PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)ウィロー湖周辺PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))だ(注)。各地域で3段階のゾーンを指定し、赤ゾーンはクラスター、オレンジゾーンは警戒地域(Warning Zone)、黄色ゾーンは要注意地域(Precautionary Zone)となる。発表時点ではブルーム郡のみ赤ゾーンはなく、黄色ゾーンのみとなっている。

規制の対象となるのは、赤ゾーンでは全ての不要不急のビジネス、オレンジゾーンではスポーツジムやネイルサロンなど感染リスクの高いビジネスとなる。黄色ゾーンではビジネスは規制されない。

飲食店への規制に関しては、赤ゾーンでは屋内外ともに飲食は許されず、テークアウトでの営業のみ可能。オレンジゾーンでは屋外席での営業は可能で、1テーブル最大4人までに制限される。黄色ゾーンでは屋内営業も可能だが、オレンジゾーンと同様、1テーブル最大4人までとなっている。

学校に関しては、赤ゾーンとオレンジゾーンではオンライン授業のみとなる。黄色ゾーンで対面授業を行う場合は、生徒や教員、スタッフに週1度の検査を義務付ける。

集会は、赤ゾーンでは屋内外ともに禁止とし、オレンジゾーンでは屋内外とも最大10人まで、黄色ゾーンでは同最大25人までに制限する。宗教団体の集まりの人数制限では、赤ゾーンでは施設の収容率25%まで(ただし、最大10人まで)、オレンジゾーンでは同33%まで(最大25人まで)、黄色地域では同50%までとなる。また、イベントや集会にかかる規制に違反した場合の罰金は、最高1万5,000ドルに引き上げられる。

クオモ知事は今回の規制を「クラスター・アクション・イニシアチブ(Cluster Action Initiative)」と呼び、記者会見で「ニューヨーク州全体としては感染者数(の増加の抑制)に成功している。だが、クラスターが存在するのは深刻な問題だ。クラスターは周辺地域での感染拡大を引き起こすので、クラスターに対処し、それを阻止する必要がある」と述べた。

(注)二ューヨーク市内では、同市ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで特定の住所または街道名を入力すると、今回の規制対象ゾーンに入っているかを確認できる。

(吉田奈津絵)

(米国)

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