ケニア大統領がフランス訪問、新型コロナ対応や地方開発で合意

(ケニア、フランス)

ナイロビ発

2020年10月09日

ケニアのウフル・ケニヤッタ大統領は9月30日~10月2日、フランスを公式訪問した。10月1日に、エマニュエル・マクロン大統領と会談し、新型コロナウイルスへの支援や地方開発などに関する覚書の署名式に立ち会った。2日には、フランスの経営者団体であるフランス企業運動(MEDEF)が主催した「ケニア・フランスビジネスフォーラム」に参加し、ケニアへの投資を呼び掛けた。

フランスは自国のプレゼンスの弱い東アフリカ諸国との貿易・投資関係の強化を志向し、2019年3月にはマクロン大統領が企業関係者を伴いフランス大統領として初めてケニアを訪問しており、今回の覚書につながったといえる。また、現地メディアは、ケニヤッタ大統領がフランス政府や企業関係者に対し、WTO事務局長選挙(2020年8月31日記事参照)に立候補しているケニアのアミナ・モハメド・スポーツ・文化・遺産長官への支持を求めたと報じた(「The Africa Report」10月5日)。

両首脳が立ち会った覚書の概要は以下のとおり〔フランス開発庁(AFD)プレスリリース10月1日付〕。

(1)新型コロナウイルス緊急対応への支援

ケニアの新型コロナウイルスへの緊急対応強化に対し、フランス政府がAFDを通じ、3,000万ユーロのコンセッション方式の融資を提供することに合意。

(2)地方開発への支援

ケニア北部の農村道路改良事業に対し、EUが3,000万ユーロの助成金を、AFDが6,000万ユーロのコンセッション方式融資を提供する。イシオロ、ライキピア、マルサビット、メルー、サンブル、タラカニシの6郡における未舗装道路の改修を行う。

(3)水・衛生へのアクセス改善

ビクトリア湖水・衛生事業(LVWATSAN)に対し、AFDによる2,000万ユーロ、欧州投資銀行(EIB)から3,500万ユーロのコンセッション方式融資、EUから500万ユーロの助成金を提供する。

(4)公共交通

ケニア鉄道公社へ1,500万ユーロの助成金を提供する。内容は、1)ナイロビ都市圏における通勤用鉄道マスタープランの実施支援、2)バス高速輸送事業の実施に向けた統合計画の策定支援、3)ナイロビ都市交通局(NAMATA)のキャパシティビルディング支援。

(久保唯香、渡辺智子)

(ケニア、フランス)

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