VW、EV生産用に2,200台超のロボットをファナックなどに発注

(ドイツ)

ミュンヘン発

2020年10月22日

ドイツ自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)グループは10月14日、ドイツ北部のエムデン工場およびハノーバー工場、米国テネシー州のチャタヌーガ工場における電気自動車(EV)生産用に、2,200台を超えるロボットを発注したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。発注先はファナックとABBで、それぞれの工場で2022年からロボットを活用したラインでのEV生産が始まる。

VWの乗用車・商用車部門は、ファナックに1,400台を超えるロボットを発注した。ファナックのロボットは、エムデン工場およびチャタヌーガ工場に投入される。一方、ABBには約800台を発注、ハノーバー工場で使用される。いずれも、ロボットは主として、EV用車体製造および蓄電池の取り付けの自動化に活用される。

エムデン工場およびチャタヌーガ工場では2022年から、電動スポーツ用多目的車(SUV)「ID.4」が、ハノーバー工場では多目的EVバンの「ID.BUZZ」の生産が始まる予定。

VWは2025年までに20、2029年までに約75のEVモデルを市場に投入する予定。またEVの生産は、2025年に150万台を見込む。それに向け、VWグループとして2024年までに330億ユーロ、うちVWブランドで110億ユーロを投資、数十億ユーロが上記3工場に投資される。

ドイツ経済誌「ビルトシャフツ・ボッヒェ」(2018年8月3日号)によると、ファナックのドイツにおける売上高は2017年に約2億2,600万ユーロと過去最高を記録、5,000台以上のロボットを販売し、市場シェアは25%を超えたという。ファナックは2017年、ドイツ南西部シュツットガルト近郊のノイハウゼンに、工場自動化(FA)機器や産業用ロボットの開発拠点を設置している。2020年9月には2億2,000万ユーロを追加投資し、「欧州開発センター」を建設すると発表、完成は2023年を予定している。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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