米ロサンゼルス郡、感染追跡アプリの使用を市民に奨励

(米国)

ロサンゼルス発

2020年09月16日

米国ロサンゼルス郡は9月9日、コミュニティーの安全向上をサポートするアプリを開発する米国企業シチズン(Citizen)との提携を発表し、新型コロナウイルス感染者の追跡を目的として同社の「セーフパス(SafePass)」アプリのダウンロードを市民に呼び掛けた。

セーフパス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、ブルートゥース技術と匿名データを使ってユーザー同士の接触を追跡し、陽性反応が出たユーザーと接触したユーザーに対して、感染の恐れがあることを通知するシステム。また、感染者に接触したユーザーには、無料の自宅検査キットの入手方法やロサンゼルス郡内の検査施設に関する情報を知らせる。米国内で3カ月に及ぶ、70万人以上を対象とした試験期間を経て、同サービスは米国内で利用可能となった。

記者会見に出席したロサンゼルス市のエリック・ガルセッティ市長は、マスク着用や社会的距離の確保などウイルスまん延の防止に必要な手段を講じる中で、感染者との接触追跡は「人々の命を守るためのわれわれの努力の非常に重要な部分」を成し、セーフパスが「感染拡大に対する最新の進歩で、われわれの家族や友人を守る」と、新アプリの重要性を強調した。シチズン最高経営責任者のアンドリュー・フレーム氏は「米国最大都市の一角がウイルスのまん延と戦う技術を受け入れると聞き、頼もしい」「将来的に起こりうる感染の第2波に対して、今のうちに備えておくことが重要だ」と述べた。

コロラド州でも追跡アプリ導入の動き

コロラド州政府も、追跡アプリの導入に動いている。地元紙によると、同州のジャレッド・ポリス州知事は9月8日の記者会見で、今後、グーグルやアップルと提携し、「ENエクスプレス」と呼ばれる、感染者との接触を追跡するアプリを、市民に無料で提供する考えを明らかにしている。

(永田光)

(米国)

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