米フロリダ州、州全体にわたる新型コロナ関連のビジネス制限撤廃

(米国)

アトランタ発

2020年09月30日

米国フロリダ州のロン・デサンティス州知事は9月25日、新型コロナウイルス感染拡大が緩和傾向にあることを受けて、州の経済活動再開を第3段階へ移行する州知事令PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発令した。同州で経済再開の段階を進展させるのは、第2段階へ移行した6月5日以来3カ月半ぶりとなる。南部州では、テキサス州も9月17日に約3カ月ぶりに経済再開を前進させている(2020年9月18日記事参照)。

当初の経済再開計画では、飲食店やバーは第3段階でも最大収容人数の75%以下にとどめる制限を課していたが、今回の発令では、バーや飲食店を含むあらゆるビジネスに対する州の制限を撤廃する。州内の地方自治体が独自の制限を課す可能性を完全に排除してはいないものの、飲食店に対して収容人数制限を課す場合には、その措置による経済的な影響を数値化することと、その措置の公衆衛生上の必要性を説明することが地方自治体に義務付けられる。加えて、最大収容人数の50%未満の人数制限を課すことは認めない。また、個人に対して、社会的距離を保っていない、マスクを着用していないなど新型コロナウイルスに関連する理由で罰金を科すことも今後禁止する。デサンティス州知事は「全州民に働く権利がある。地方自治体は合理的な制限を課すことはできるが、(ビジネスの全面的な再開を)ただ禁止することはできない」と語っている(「サン・センチネル」紙9月25日)。

一方で、州内で感染者数の多いマイアミ・デイド、ブロワード、パームビーチの各郡では、飲食店などに対して引き続き一定の制限を課している。マイアミ・デイド郡では、テーブル間で6フィート(約1.8メートル)の距離が保てない場合は、店内を最大収容人数の50%に制限している。また、マスクの着用義務と午後11時から翌日午前6時の間の外出禁止令も存続し、違反者に対しては最大500ドルの罰金と180日の禁固刑が科される可能性があることも9月26日に発表した。パームビーチ郡では、これまで禁じていたバーの営業を9月25日から収容人数の50%に制限した上で再開し、ブロワード郡では、飲食店に対して店内収容人数が最大収容人数の50%を超えることや午後11時から翌日午前5時の間の店内営業を禁じている。飲食店のオーナーや行政関係者は、こうした州と郡の間での制限の不一致が現場を混乱させると懸念している(「サン・センチネル」紙9月28日)。

(石田励示)

(米国)

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