8月の就業者数は11万1,000人増、失業率は6.8%に改善

(オーストラリア)

シドニー発

2020年09月18日

オーストラリア統計局(ABS)は9月17日、8月の雇用統計を発表し、就業者数(季節調整値)が前月から11万1,000人増加したことを明らかにした。失業者数は8万6,500人減少し、失業率は0.7ポイント改善して6.8%となった。

就業者数は、パートタイム労働者が7万4,800人、フルタイム労働者が3万6,200人増加して、前月比0.9%増の1,258万3,400人となった。それに対して、月間総労働時間は前月比0.1%増と伸び悩んだ。これは、新型コロナウイルスの感染再拡大により制限措置が課されているビクトリア州の労働時間が4.8%減となったことから、ビクトリア州以外での伸び(1.8%増)を相殺したかたちとなった。また、パートタイム労働者が急激に増加していることも、労働時間の小幅な伸びにつながった。

ビクトリア州では、労働時間の減少に加え、失業者数が4万2,400人増加し、失業率は0.3ポイント悪化して7.1%となった。その他の州の失業率は、クイーンズランド州(1.3ポイント改善の7.5%)、西オーストラリア州(1.3ポイント改善の7.0%)、北部準州(3.3ポイント改善の4.2%)で大幅な改善がみられた。シドニーを州都とするニューサウスウェールズ州においても、0.5ポイント改善して6.7%となった。

ビクトリア州は企業支援に30億豪ドルを拠出

ビクトリア州政府は9月13日、制限措置の影響を受けている企業を救済するため、30億オーストラリア・ドル(約2,280億円、豪ドル、1豪ドル=約76円)の支援策を発表した。中小企業に最大2万豪ドルを支給する助成金制度への追加拠出や、営業を制限されているレストランやバーなどに対して新たに最大3万豪ドルの助成金を支給する。また、給与税の支払い猶予や、印紙税の50%減額などによって、企業のキャッシュフローを改善する。さらに、「ポストコロナ」に向けて、中小企業のデジタル化や輸出先の新規開拓などを支援する。

(住裕美)

(オーストラリア)

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