8月の消費者物価指数は前月比で引き続きマイナスに

(インドネシア)

ジャカルタ発

2020年09月25日

インドネシア中央統計庁(BPS)は9月1日、2020年8月の消費者物価指数を発表した。8月の上昇率(前年同月比)は前年の1.54%から0.22ポイント減の1.32%に低下し、2000年5月に1.2%を記録して以降で最も低い水準になっている。中央銀行は目標インフレ率を2~4%としているが、6月から3カ月連続で目標を下回っている状況だ。

主要品目別にみると、情報・通信・金融サービス(前年同月比0.24%減)と輸送(0.13%減)の2項目が下落した(添付資料表参照)。インフレ率(物価上昇率)が高かった項目はパーソナルケア・その他サービス(7.47%)で、以下、医療(3.65%)、レストラン(2.45%)、教育(1.61%)、家庭用機器・工具・定期メンテナンス(1.55%)の順となった。

前月比では7月に続いてマイナスに

8月の前月比では0.05%減と、7月(0.1%減)に引き続きマイナスを記録した。主要品目別では、11品目のうち食品・飲料・たばこ(0.86%減)と輸送(0.14%減)の2つで下落した。逆に、インフレ率が高かったのはパーソナルケア・その他サービス(2.02%)で、以下、教育(0.57%)、レストラン(0.13%)、家庭用機器・工具・定期メンテナンス(0.08%)、衣類・履物(0.07%)の順となっている。

地域別でみると、調査対象の90都市のうち53都市で低下し、37都市で上昇した。デフレ率(物価下落率)が最も高かった都市は東ヌサ・トゥンガラ州のクパン(0.92%減)だった。一方、インフレ率が最も高かったのは西アチェ地区のメーラボー(0.88%)だ。金装飾品や食用油や魚などの価格上昇が要因となった。ジャカルタ首都特別州は0.1%減で、航空輸送、鶏肉、エシャロットの価格下落が主な要因だった。

9月も前月比でデフレ予想

インドネシア銀行は9月18日に、9月第3週分の物価監視調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表し、9月は前年同月比で1.46%の上昇、前月比では0.01%の下落になると予測している。デフレ要因として、卵(0.04%減)、ブロイラー(0.03%減)、赤タマネギ(0.02%減)を挙げている。

(デシー・トリスナワティ、上野渉)

(インドネシア)

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