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アルゼンチンの非自動輸入ライセンス承認遅延に対し、ブラジルが改善求める

(ブラジル、アルゼンチン)

米州課

2020年09月07日

9月2日付「メルコプレス」紙によると、ブラジル政府はアルゼンチン政府に対し、アルゼンチンでの非自動輸入ライセンス承認に時間がかかり過ぎていることに不満をあらわにした。8月20日付のブラジル現地紙「バロール」によると、ブラジル外務省は既に「国際協定で定められた期限を守っていない」として、アルゼンチン政府に正式に申し立てをした。

アルゼンチンの非自動輸入ライセンス制度は、アルゼンチンで財を輸入する際、輸入許可証の取得を求める制度。2020年2月時点で約1,500品目が許可証取得の対象になっている(2020年2月発行レポート「アルゼンチンの非自動輸入ライセンス制度PDFファイル(359KB)」参照)。

2020年1月8日付の工業・知識経済・対外通商庁決議1/2020号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、許可証の有効期限は90日間。許可証発給までの審査期間は、国際ルールでは最大60日間と定められている(注1)。

承認遅延の背景には、外貨準備高減少への懸念があると考えられる。アルゼンチンは2020年5月、グローバル債の利払い猶予期間内に支払いを行わなかったとして、テクニカル・デフォルトに陥った。また、4月以降、民間債権者との間で約650億ドルに及ぶ債務再編交渉を複数回に渡り交渉期限を延長しながら行っていた(注2)。

9月2日付「メルコプレス」紙によると、非自動輸入ライセンス承認の遅延はブラジルからアルゼンチン向けの自動車輸出に多大な影響を及ぼしている(注3)。ブラジル自動車製造業者協会(ANFAVEA)の主張によると、許可証取得には現在、申請後90日程度あるいはそれ以上かかる。ルイス・カルロス・モラエスANFAVEA会長は「アルゼンチンの外貨準備不足による困難な状況は理解できる」と理解を示しながらも、「このような制限は産業セクターの事業計画などに影響を与える」と改善を求めた。これに対し、在ブラジルのアルゼンチン大使館は「われわれは懸念を認識しており、ブラジル政府とも協議している」と述べる一方で、「申請を受けたうちの92%は72時間未満で承認されている」とも強調した。

両国は2国間自動車協定〔経済補完協定(ACE)14号〕を締結している。同協定では、無税で取引できる自動車・自動車関連品目の輸出入額の均衡係数を規定している。2019年10月3日付の第43次追加議定書によれば、2020年7月1日から2023年6月30日の均衡係数は1対1.8。一方の国の輸入額がもう一方の国の輸入額の1.8倍を超えない範囲で輸入関税が無税となる。同議定書では2029年以降の自由化を目指している。

(注1)WTOの輸入許可手続きに関する協定、通称ライセンシング協定の第3条(非自動輸入許可)、第5項(f)では、「申請の処理に要する期間は、加盟国にとってやむを得ない理由により不可能な場合を除くほか、申請を先着順に処理する場合には30日以内でなければならず、また、全ての申請を同時に処理する場合には60日以内でなければならない」と定めている。ライセンシング協定はWTO加盟国に対し、行政手続きの簡素化や手続の公正な運用を行い、輸入許可手続が貿易阻害要因とならないことを目的としている。

(注2)8月31日に主要債権者3団体を含む93.5%の債券保有者が再編案を支持し、約650億ドルの債務のうち99%が新規国債に交換(スワップ)可能となった。

(注3)自動車も非自動輸入ライセンス取得対象製品に含まれる。対象品目の詳細は、決議E523/2017号付属書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照

(辻本希世)

(ブラジル、アルゼンチン)

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