石油公社カズムナイガス、上半期の純利益は9割減

(カザフスタン)

タシケント発

2020年09月16日

カザフスタンの石油公社カズムナイガス(KMG)は、8月27日にウェブサイト上で2020年上半期の中間連結財務諸表の概要を公開した。

KMGの発表によると、上半期の事業実績は天然ガスが43億2,100万立方メートル(前年同期比3.9%増)となったものの、石油の生産量は1,134万5,000トン(3.1%減)、輸送部門では石油が3,732万9,000トン(4.2%減)、天然ガスが451億7,200万立方メートル(9.8%減)、石油精製部門の生産量は829万トン(17.1%減)と落ち込んだ(添付資料表1参照)。

財務状況は、売上高が前年同期比33.8%減の2兆2,540億テンゲ(約5,635億円、1テンゲ=0.25円)で、当期純利益は96.7%減の210億テンゲだった(添付資料表2参照)。

純利益減少の原因は、新型コロナウイルス感染拡大による需要の低下、北海ブレント原油の平均価格の下落(前年比39.2%低下)、原油生産・輸送・精製販売などの上流から下流部門全般で実績が低下したこと、合弁・関連企業の売上高と利益分配の減少、さらには現地通貨テンゲの下落(対ドルで6.7%)に伴う資産価値の低下などだ。

KMG関連会社の財務状況に関しては、テンギスシェブルオイルLLP(有限事業組合、TCO)の利益配当は前年同期比68.9%減(700億テンゲ)だった。カシャガンBV(有限会社)は110億テンゲの事業損失を計上し、マンギスタウムナイガスJSC(MMG)の配当は89.7%減(50億テンゲ)となった。ほかにも、カズロスガスLLP(有限事業組合)、ベイネウ・シムケントガスパイプライン(GBS)が現地通貨テンゲの下落による為替損益などを受けたことから、KMGへの関連会社全体での利益配当は前年同期比49.6%減の2,240億テンゲとなっている。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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