10月からの大規模イベント再開時の安全策決定

(スイス)

ジュネーブ発

2020年09月07日

スイス連邦参事会(内閣)は9月2日、10月1日に再開が予定されている、参加者が1,000人を超える大規模イベントの開催承認条件などを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

スポーツ、文化、会議、宗教行事など、参加人数が1,000人を超えるイベントの開催に当たっては、屋内外を問わず感染防止措置を講じた上で、開催地の州の承認を得る必要がある。

承認の条件は以下のとおり。

  • 当該州の感染状況がイベント開催を許容できる程度に良好で、州政府がコンタクトトレーシング(感染者の追跡)の実施体制を有すること。
  • イベント参加者は指定座席への着席が基本だが、屋外で開催されるスキーや自転車レースなど一部のスポーツイベントや祭事については例外的に立ち見を許可する場合がある。
  • イベント主催者は、リスク分析を行うとともに、リスクに応じた感染対策計画を州に提出する必要がある。その中で、客の導線、マスク着用義務の必要性の有無、空間確保のために空席を設けるか、参加者が正確な連絡先を登録しているかの確認方法などを規定する必要がある。

また、アイスホッケーおよびサッカーリーグの選手権大会の開催については、スイス全土で統一された基準で審査・承認される。そのため、感染対策は、以下のように他の大規模イベントのものより詳細に規定されている。

  • 屋内外を問わず、スタジアムにおいては、マスク着用を義務付けの上、着席形式の観戦のみが認められる。
  • 屋内外を問わず、スタジアムの収容人数は、客席総数の3分の2を上限とする。
  • ビジターチームを応援する客用の座席区画の割り当てはない。
  • アルコール飲料の販売と消費は、観客が感染防止措置を順守する限りにおいて認められる。また、食事は着席形式のみとする。
  • 開催者は観客が感染対策を順守するよう管理する義務があり、違反があった場合は罰則が適用される。

大規模イベントの開催承認に係る責任は州政府にあり、感染の拡大状況が悪化した場合には、開催許可を取り消し、収容人数の削減、マスク着用の義務付けといった安全措置の強化を命じることができる。取り消された開催許可について、州政府は賠償責任を負わない。

(和田恭)

(スイス)

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