最大250人までの展示会・会議、試験的に解禁へ

(シンガポール)

シンガポール発

2020年09月14日

シンガポール観光庁(STB)は10月1日から、最大250人までの展示会・会議の試験的開催について、主催者からの開催申請の受付を開始する。同国ではこれまで、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、3月から全てのイベントの開催を停止し、その後、8月に約50人規模の国際会議を試験的に開催していた。

イベント主催者は、新基準に基づく展示会・会議開催の申請に当たって、出席者の過密化の抑制など感染防止対策を導入する必要がある。具体的な申請手続きについては後日、発表される。STBによると、新基準に基づくイベントとして、10月26~30日に「シンガポール国際エネルギー・ウィーク」の開催が既に決まっている。なお、今回の展示会・会議の人数制限の緩和は、主催企業の関係者向け(従業員を含む)に開催する年次株主総会や臨時株主総会、会議、セミナーなどには適用されない。

シンガポールは、国際団体連合(UIA)の都市別国際会議ランキングで1位(2019年の国際会議開催件数:1,205件)と、展示会・会議・報奨旅行(MICE)の一大ハブと位置付けられている。チャン・チュンシン貿易産業相は9月7日の会見で、MICE産業が同国で約3万4,000人もの直接的、間接的な雇用を支え、GDPの約0.8%に貢献する重要な産業だ、と指摘した。チャン貿易産業相は、国内市場が限定的な同国のMICE産業が、他の都市とは異なり、海外からのビジネス客で支えられていると述べ、同産業の再活性化には「海外渡航者をいかに安全に入国させ、安心して会議を行い、再び安全に帰国させるかにかかっている」と強調した。

シンガポールでは、9月8日までに確認された新型コロナウイルス累計感染者数が5万7,091人(うち27人が死亡)だが、外国人労働者以外の国内感染者は大きく減少している。また、同国は9月8日時点で、ブルネイ、中国の6省・市(重慶市、広東省、江蘇省、上海市、天津市、浙江省)、マレーシア、ニュージーランド、韓国の5カ国の間で、「相互ビジネス・グリーン」などを通じたビジネス・公務上必須の場合に相互渡航を認めており、段階的に相互渡航が可能な国を拡大している(注)。

(注)シンガポールが5カ国との間で合意している、ビジネス向けの渡航と居住者向けの渡航の具体的な手続きについては、シンガポール移民局(ICA)の情報ページ「セーフ・トラベル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を参照。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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