米ハワイ州、観光再開に向けて事前検査の承認を10月15日から開始

(米国)

ロサンゼルス発

2020年09月28日

米国ハワイ州のデービッド・イゲ知事は9月16日、同州への渡航者に対する事前検査プログラムを10月15日から開始すると発表した。このプログラムにより、同州への観光が実質的に再開されることになる。

現在、ハワイ州は同州への渡航者に対して、到着後14日間の自主隔離を求めている。同プログラムでは、10月15日以降、出発前72時間以内に実施された検査において新型コロナウイルスへの感染が陰性という証明を提示することで、14日間の自主隔離が免除される。

同事前検査プログラムにおいては、CLIA認定(注)を受けた検査機関で、米国食品医薬品局(FDA)の認定を受けた核酸増幅検査(NAAT:Nucleic acid amplification testing)の結果が対象となり、検査費用は渡航者の全額自己負担となる。抗体検査による陰性証明は認められない。なお、現時点での検査実施機関は、米薬局大手のCVSと米健康保険大手のカイザー・パーマネンテ(Kaiser Permanente)としている。

同プログラムは当初、8月1日から実施の予定だったが、感染症の動向を踏まえて開始が2度延期されていた。ハワイ州では、8月中・下旬に1日当たりの新規感染者数が200人を超える日が続いていたが、9月23日には直近7日間の平均が107人となり減少傾向にある。イゲ知事は、今回の事前検査プログラムが、観光中心のハワイ経済を立て直す重要なカギの1つとしている。

(注)CLIAの正式名称は「臨床検査改善修正法案(Clinical Laboratory Improvement Amendments)」。米国の臨床検査室の質を保証するための法律。

(永田光)

(米国)

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