モスクワ市で展示会が再開

(ロシア)

モスクワ発

2020年09月24日

モスクワ市政府は9月4日、展示会・会議イベントの開催を解禁した(2020年9月3日付モスクワ市長令第89-UM号)。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、3月以降、大規模イベントの開催を禁止していた(2020年3月13日記事参照2020年3月17日記事参照)。

解禁後であっても、展示会や会議イベントを開催する際には、連邦消費者保護・福利監督局(ロスポトレブナドゾル)が定めた衛生要件を守る必要がある。主催者は、イベントの設営・開催・撤去の全ての期間中で感染防止措置を講じなければいけない。例えば、消毒剤を用いた会場内の清掃、展示場や会議場の出入り口、ホワイエ(注)、情報提供コーナー、トイレ、食堂における手指消毒剤の設置、会議場や記者会見場での換気装置の使用、1.5メートル以上のソーシャルディスタンス維持のため展示ゾーン内通路の広さを最低3メートル確保することなどが規定されている。このほか、イベント参加者に対する、マスク着用や展示場での手袋着用も義務付けられている。

解禁を受け、モスクワ市内の主要展示場エクスポセンターでは9月15~17日にテキスタイル展示会「インテルトカニ」(英語名「インターファブリック」)が開催された。前回の開催時(2019年9月)に比べて展示面積は変わらなかったが、出展社数は23.5%減の179社だった。例年、約20カ国から出展があるが、今回はロシア国内がほとんどで、海外勢はトルコ、中国、ウズベキスタン、韓国など7カ国にとどまった。

9月16日に会場を訪問したところ、出入り口では来場者に対して非接触型の検温が行われたほか、マスクの着用が呼び掛けられていた。手袋着用も必要のはずだが、入場時に着用は求められず、会場内でも手袋をしている人は見かけなかった。また、出入り口や場内各所に手指消毒剤が設置されていた一方、衛生要件で求められていないためか、ブース内に手指消毒剤を用意する出展社はほとんどみられなかった。

写真 さまざまな柄・色の布地が展示(9月16日、ジェトロ撮影)

さまざまな柄・色の布地が展示(9月16日、ジェトロ撮影)

写真 海外7カ国、179社が出展(9月16日、ジェトロ撮影)

海外7カ国、179社が出展(9月16日、ジェトロ撮影)

なお、モスクワ市郊外のモスクワ州では、8月1日に展示会や会議イベントの開催が解禁された。エクスポセンターと並ぶ主要イベント会場のクロッカス・エクスポでは、漁業関連展示会「アクアプロ・エクスポ」(8月25~27日開催)を皮切りにさまざまな見本市が開催されている。

(注)会議場や劇場などの出入り口付近に設けられる広間(ロビー)のこと。

(浅元薫哉)

(ロシア)

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