米ボストン地域発のスタートアップ支援機関CICが東京に進出

(米国、日本)

米州課

2020年09月23日

米国ボストン地域を代表するイノベーションコミュニティーであるケンブリッジ・イノベーション・センター(CIC)が10月1日、東京都港区にCIC Tokyo外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますをオープンする。CIC Tokyoは2020年6月に開業した虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーの15階と16階に、約6,000平方メートルの広さを持ち、スタートアップなど250社以上が入居できるオフィススペースや、さまざまなイベントに使えるイベントスペースとセミナールーム、入居者向けのウェルネススペース(シャワー室や授乳室など)などを備える。これまで世界8都市に拠点を展開してきたCICにとって、アジア初の拠点となる。

CICは起業家の周りに、大企業、ベンチャーキャピタルなどの投資家、行政機関、学術関係者、弁理士や会計士などの専門家が集まるコミュニティーを作ることを通じてスタートアップを支援する。コミュニティー形成のため、起業家・支援者の交流を図る多様多種なイベントを定常的に開催する。ヘルスケア、スマートシティ、環境・エネルギー、スポーツテックなど専門分野のコミュニティーと連携し、各分野に特化したイベントも行う予定だ。CIC Tokyoはオフィスの造りにこだわりがあることも特徴だ。偶然の出会いがイノベーションを生むとの考えから、自然発生的に会話が生まれるような空間設計が施されている。また、新型コロナウイルスの懸念が残る中で検温、消毒、人数制限などのガイドライン順守はもちろんだが、イベントについては当面、リアルとオンラインを組み合わせたハイブリッド型のイベントを開催していき、その中で新たな取り組みを行なっていく。

CICの日本法人、CICジャパンの梅澤高明会長は9月17日、ジェトロのインタビューに対し、「スタートアップだけでなく、大企業や研究者、行政など、さまざまなステークホルダーが集う場を作りたい」とCIC Tokyoのミッションについて語った。また、東京にスタートアップ・エコシステムを形成するには、起業家の数を増やすことが重要だと述べ、リアルテックやディープテックに基づくスタートアップ、女性起業家、外国人をメンバーに含むスタートアップなど、支援する起業家の裾野を広げたい考えを示した。CICのグローバルネットワークを生かし、CIC Tokyoが、海外から日本に進出するスタートアップの受け入れ拠点になることも目指すという。

写真 CICジャパン梅澤高明会長と名倉勝ディレクター(ジェトロ撮影)

CICジャパン梅澤高明会長と名倉勝ディレクター(ジェトロ撮影)

(甲斐野裕之)

(米国、日本)

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