7月の失業者数は増加、新型コロナウイルス感染拡大による影響続く

(ブラジル)

米州課

2020年09月08日

ブラジル地理統計院(IBGE)は8月20日付で7月の全国家計サンプル調査「新型コロナウイルス版(PNAD Covid-19)」(注)の結果を発表した。

PNAD Covid-19の報告によると、7月の失業者数は前月比3.7%増加し、1,230万人に達した。地域別にみると、中西部は前月比3.8%減で唯一失業者数が減少したが、貧困層の比較的多い北部(同5.4%増)と、経済活動の中心であるサンパウロ州やリオデジャネイロ州が所在する南東部(同5.3%増)の失業率は大幅に増加した。

7月単月の国内で働いていない人の数は前月比で2.1%増加し7,650万人と推定されている。そのうちの24.8%に当たる約1,900万人は「働きたいが、感染拡大の影響などにより、求職活動ができていない」と回答している。

8月20日付の現地紙「アジェンシア・ブラジル」によると、雇用されていても、新型コロナウイルス感染拡大を受けソーシャルディスタンス(社会的距離)を保ちながら業務を行う必要が生じたため、出勤できない休業者も多く存在し、実際に7月時点の就業者8,150万人のうち970万人は休業状態にあることが今回の調査により分かった。また、休業者のうち約320万人(休業者数の約32.4%)は賃金が払われていないことも判明した。PNAD Covid-19の調査員のマリア・ルシア・ビエイラ氏は「休業者と無賃金休業者の数は6月と比べると減少したが、この減少は業務に戻った人が増えたことによる減少と、解雇による減少の両方の可能性がある」と述べた(「アジェンシア・ブラジル」紙8月20日)。

(注)全国家計サンプル調査新型コロナウイルス版とは、新型コロナウイルス感染拡大を受け5月4日から始まった調査。感染症の症状やインフルエンザと類似する症状の有無、感染拡大の影響を受けた労働市場の変化などを電話で調査をしている。

(高氏朋佳)

(ブラジル)

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