第2四半期GDP成長率、前期比マイナス7%、景気後退入りへ

(オーストラリア)

シドニー発

2020年09月03日

オーストラリア統計局(ABS)は9月2日、2020年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率が前期比マイナス7.0%だったと発表した(添付資料表1参照)。新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う制限措置の影響を受け、四半期ベースでは1959年の統計開始以来最大の落ち込みとなった。これによって、前期(同マイナス0.3%)に続く2四半期連続のマイナス成長となったことから、オーストラリアは29年ぶりに景気後退入りした。

需要項目別の実質GDPを前期比でみると、政府による経済支援策の実施などによって、政府最終消費支出は2.9%増だったものの、民間最終消費支出は12.1%減と大きく減少し、国内総固定資本形成も4.9%減となった。また、財貨・サービスの輸出は6.7%減、輸入は12.9%減となった。

産業別にみると、好調な鉄鉱石輸出によって鉱業が前期比0.2%増、金融・保険業が0.7%増となった以外は、全ての産業が減少した(添付資料表2参照)。宿泊・飲食サービス業は最も減少幅が大きく、前期から31.1ポイント減少して39.0%減となった。運輸・郵便・倉庫業(21.5%減)、不動産業(15.9%減)も大きく落ち込んだ。

ジョシュ・フライデンバーグ財務相は「28年以上続いたオーストラリアの経済成長が正式に終わりを迎え、パンデミックが景気後退をもたらした」と述べた。また「ビクトリア州での感染再拡大によって8月初旬から開始した厳格な外出制限措置の影響は、第3四半期(7~9月)に重くのしかかるだろう」との見通しを示した。財務省の予測によると、ビクトリア州での感染再拡大によって第3四半期のGDPは100億~120億オーストラリア・ドル(約7,800億~9,360億円、豪ドル、1豪ドル=約78円)減少し、成長率は今期からわずかに減少するか横ばいとなる見込みだという。

(住裕美)

(オーストラリア)

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