国家発展委員会がベンチャー投資を促進、100億台湾元を追加措置

(台湾)

中国北アジア課

2020年09月23日

国家発展委員会の龔明鑫主任委員は、今後4年間でベンチャー支援の関連予算を20億台湾元(約72億円、1台湾元=約3.6円)から100億台湾元に増やす意向を表明した(「工商時報」2020年9月14日)。

同委員会が、中華民國創業投資商業同業公會(以下、ベンチャーキャピタル協会)に委託している「創業天使投資方案」(起業家エンジェル投資プログラム)は、域内の投資市場メカニズムの整備やエンジェル投資環境の改善を目的としたプログラムで、新規ベンチャーの育成を支援している。

ベンチャーキャピタル協会によると、2018年3月31日から2020年9月10日までに、250件以上の投資申請があり、9月10日時点で国家発展委員会により承認された投資案件は113件に達した(許可率は約45%)。このうち、96件は投資評価審議会が投資を決定し、15件は300万台湾元の小規模投資、2件は全ての持ち株を処分。イノベーション産業への投資総額は38億8,500万台湾元となった。

なお、最新の統計によると、新規に承認されたベンチャー企業の投資額は16億台湾元を超過し、エンジェル投資家による合計投資額は8億6,900万台湾元だった。

ベンチャーキャピタル協会の邱德成理事長は「エンジェル投資は起業リスクが最も高い時期あるいは初期段階に投資するため、一般的にみて失敗する確率が高いが、お金を失うこと(投資)にも意味がある」と話す。同氏は、ベンチャーキャピタル業界では、新しいベンチャー企業の支援をしており、数千億のベンチャーキャピタルファンドの一部を投資することで、その後の巨額投資のチャンスが増える、との見方を示している。また、「協会として、台湾への早期投資の促進、新しいベンチャーの成功を期待している。煩雑な申請プロセスを簡素化することで、より多くの若者が起業家の仲間入りができるよう支援していきたい」と述べた。

台湾への早期投資を研究する台湾経済研究院第6研究所の范秉航副所長は「域内企業または企業ベンチャーキャピタル(CVC)の約59%が新興ベンチャー企業に投資したメリットを享受しており、国内ベンチャー機構の43%がそれに続く」と分析している。国内ベンチャーキャピタル投資の割合は、2017年の41.45%から45.32%に増加し、NDF(ノンデリバラブル・フォワード:先渡し為替取引)は6.22%から24.27%に急速に拡大し、国家発展委員会は多くの投資家の間で主導的な役割を果たしている。

(相馬巳貴子)

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