7月の鉱工業生産は改善するも、いまだ新型コロナの影響が残る

(ブラジル)

米州課

2020年09月24日

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表(9月3日付)によれば、2020年7月の鉱工業生産指数(季節調整値)は前月比8.0%増加した。業種別の調査対象項目26項目のうち、25項目において増加した。これは統計を取り始めた2002年以来初めてのことだ。

業種別にみると、高い伸び率を記録したのは自動車で、前月比で43.9%増加した。ただ、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける前の2月と7月の値を比較すると、いまだ32.9%の減少だ。

今回、唯一減少したのは印刷・録音で、前月比40.6%減だった。アンドレ・マセド調査員は「印刷・録音は前月比で減少しているが、6月に77.1%の大幅な増加を記録しており、7月の減少はその反動によるもの」と述べた。

財別にみると、資本財(前月比15.0%増)、中間財(8.4%増)と消費財(9.3%増)の全てにおいて増加した。中間財は、前年同月比でも1.4%増加した。ただ、マセド氏は「新型コロナウイルス感染拡大による影響を受け、工場などの稼働が規制されていた期間に受けた影響は大きく、資本財および消費財は依然として新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける以前の数値を下回る結果となっており、まだ、完全な回復には至っていない」と述べた。

(高氏朋佳)

(ブラジル)

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