2021年の最低賃金は月額192ドルに決定

(カンボジア)

プノンペン発

2020年09月15日

カンボジア労働職業訓練省は9月10日、2021年の最低賃金を月額192ドルに設定する省令を発表した(Prakas No.303/20KB/Br.K.Kh.L)。2020年と比べると2ドル増(1.1%増)となり、賃金上昇率は2013年以降の最低になった。なお、試用期間中(2カ月間)は月額187ドルとなる。

適用業種は従来どおり、縫製業・製靴業だが、他分野の製造業もこれに倣っての適用が通例となっている。また、今回の省令では、出来高制の給与体系の企業ではこの通達の限りではないが、支払金額が最低賃金を下回らないことと明記された。新たな最低賃金は2021年1月1日から適用される。

ここ数年、最低賃金の上昇率は、2018年11.1%、2019年7.1%、2020年4.4%と低下傾向だ。2013年から2017年にかけて80ドルから153ドルへと高騰したことで、外国投資促進への影響を懸念した政府は、最低賃金上昇の抑制を進めていた。こうした中、新型コロナウイルスによる経済停滞の影響を受け、近年では最低の上昇率にとどまったとみられる。

(脇坂敬久)

(カンボジア)

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