現地商工会議所のネットワークで地場企業との連携を図る
(インドネシア)
ジャカルタ発
2020年09月11日
インドネシア商工会議所(KADIN)は、約9万社の会員を有するインドネシア最大の商工団体だ。KADINビジネスサービスデスクは、会員以外の企業に対して、地場企業の紹介やビジネスマッチングなどの有料サービスを提供しており、2020年8月には、日系投資会社とアライアンス契約を締結するなど、活動を拡充させている。ジェトロは、同デスクでコーディネーターを務めるアンソニー・ニコラス・タリガン氏に、日系企業による活用方法や地場企業との連携(注)などを聞いた(9月4日)。概要は以下のとおり。
(問)ビジネスサポートデスクが提供するサービス内容は。
(答)われわれの強みは、インドネシア全国に広がる34地域の商工会議所や、200以上の産業団体、さらにはインドネシア政府とのネットワークにある。それらを生かし、さまざまな業種におけるビジネスマッチングや市場調査に対応することができる。また、製品プロモーションのためのイベント開催なども行うことができる。
(問)企業からどのような問い合わせを受けるか。
(答)インドネシア市場に商品展開をしたい企業から、地場のディストリビューターについての照会が多い。直近では、家電機器、塗装用スプレーガン、ベビー用品に関する問い合わせがあった。市場調査では、環境、医療機器、社会福祉、エンジニアリング、建設関係の調査依頼があった。商談の設定も行っており、日系の化学企業とインドネシアの石油会社との商談をセットした経験もある。
(問)日系企業との連携事例はあるか。
(答)既存のサービス提供を超えた連携事例もある。8月には、日本の投資会社である株式会社Bold Investmentと、インドネシアの中小企業活性化における相互協力に関するアライアンス契約を締結した。同社は投資先となるインドネシアの中小企業を探しており、KADINもインドネシアの中小企業支援に力を入れていることもあり、提携することを決めた。同社とは、KADINのネットワークを通じて、日常業務に人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)の活用を検討している中小企業やスタートアップにアプローチし、投資先企業の選定を進めている。このようなかたちで日系企業と提携するのは初めてだ。
(注)ジェトロが2019年に実施した「2019年度アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」によると、インドネシアに進出している日系企業のうち、原材料・部品の調達先として「地場企業」と回答したのは44.2%(N=262社)で、中国の63.2%(N=328)やマレーシアの55.4%(N=122)と比べ、地場企業との提携が進んでいない。
KADINビジネスサポートデスク(英語もしくはインドネシア語)
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(上野渉)
(インドネシア)
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