フォルクスワーゲンがガーナに組み立て工場を設立

(ガーナ)

アクラ発

2020年08月14日

ガーナのアクフォ=アド大統領は8月3日、フォルクスワーゲンがガーナに組み立て工場を設立した記念式典に参加した。大統領は、同国で組み立てられた最初のフォルクスワーゲンを披露し、「国内だけでなく西アフリカ市場向けにも多様なモデルがガーナで組み立てられる」と歓迎した(大統領府ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。現地報道によれば、年間5,000台の生産能力を予定しており、ガーナの2019年の新車登録数は約5,700台とされる(OICA)。

組み立て工場は、ドイツのアンゲラ・メルケル首相が2018年8月にガーナを訪問した際、ガーナ政府、フォルクスワーゲン、ガーナのパートナーとの間で結ばれた合意に基づくもの。大統領は、フォルクスワーゲンの進出は政府の「ガーナ自動車開発政策(GADP)」と貿易産業省の支援が後押ししたと強調し、ビートル以外にも、ティグアン、テラモント、アマロック、キャディ、ポロ、パサートといったモデルを組み立て予定であるとした。また、同社の持続性と収益性のため、政府は引き続き支援するとした。GADPは2019年に導入され、ガーナに生産拠点を設ける外国メーカーに対して最長10年の税制優遇措置などを提供する。

大統領府は、全ての省庁や公共機関に対して、公金で車両を購入する場合、現地組み立て車を最優先するよう指令を出した。また、政府が「自動車産業開発支援センター」を設立し、車両組み立て・生産のライセンスのための調整や、規制・規格の監督・監視を行うこととした。同センターは、ガーナの組立車購入に関心のある個人やグループ向けの「自動車融資スキーム」を設けるほか、「自動車技能向上プログラム」を実施し、自動車産業の発展に必要な各分野の技能を育成していく方針だ。

大統領は、中国のシノトラックも既にガーナでトラックを組み立てており、他の自動車メーカーもフォルクスワーゲンに続くことを期待しているとした。新たな自動車産業の発展の中で、地場関係者の利害や生活を侵す事の無いよう政府は配慮し、自動車組み立て・製造への外国および地元の投資を誘致するために、適切なインセンティブと支援策を提供するとした。既に、ガーナ企業のカンタンカ・グループが、自動車組み立てのライセンスを保有しており、自動車業界の発展は、外国のみならず地元企業にも機会を提供するとした。

(関根広亮)

(ガーナ)

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