7月の失業率は7.5%、失業者数は100万人突破

(オーストラリア)

シドニー発

2020年08月14日

オーストラリア統計局(ABS)は8月13日、7月の雇用統計を発表し、失業者数(季節調整値)が前月から1万5,700人増加して100万9,400人となったことを明らかにした。失業率は0.1ポイント悪化して7.5%となった。失業者数が100万人を超えたのは初めてのことだ。

失業率を州別にみると、新型コロナウイルスの感染が再拡大しているビクトリア州は6.8%となり、シドニーを州都とするニューサウスウェールズ州(7.2%)よりも低かった。感染状況が落ち着いているクイーンズランド州(8.8%)、西オーストラリア州(8.3%)、南オーストラリア州(7.9%)では、全国平均7.5%よりも高い傾向にあった。

就業者数は前月から11万4,700人(パートタイム労働者7万1,200人、フルタイム労働者4万3,500人)増加して、1,246万800人となった。月間総労働時間も前月比1.3%増となり、特に女性の労働時間の伸び(2.3%増)が男性(0.6%増)を上回った。ABSによると、新型コロナウイルス感染拡大防止措置の緩和が始まった5月以降では、雇用は34万3,000人、労働時間は5.5%回復したという。

ただし、今回の統計は6月28日から7月11日を対象期間としており、ビクトリア州の州都メルボルンで再び外出制限を課したのが7月9日、災害事態宣言を発令して厳格な制限措置を開始したのが8月2日だったことを踏まえると、今後はさらに悪化することが予想される。

雇用者数の減少幅はビクトリア州が最大

ABSは8月11日、オーストラリア国税庁のデータを利用した最新の調査結果を発表した。6月27日から7月25日までの約1カ月間に給与の支払いを受けた雇用者数は、全国で0.1%の減少だったが、ビクトリア州では1.5%減少した。調査の起点となる3月14日からは同州の減少率は6.7%減となり、全国平均(4.5%減)を大きく上回った。ABSによると、4月中旬までにビクトリア州で失われた雇用の約40%は、6月下旬までに回復していたものの、7月末までにその回復率は24%まで減少したという。

(住裕美)

(オーストラリア)

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