2020年上半期、8割の自動車ディーラーの販売台数が前年割れ
(中国)
上海発
2020年08月13日
業界団体の中国自動車流通協会(CADA)は、新型コロナウイルス感染症が自動車ディーラーに及ぼす影響について適時かつ正確に把握するため、全国の自動車ディーラーを対象にした調査を7月に実施し、8月3日に調査レポート(以下、CADAレポート)を公表した(「中国自動車流通協会ウェブサイト」2020年8月5日)。
CADAレポートによると、約8割の自動車ディーラーの販売台数(2020年上半期)が前年同期を下回った一方、好調な高級車や輸入車に牽引され、販売台数が増えたディーラーは全体の21.5%に達した。6月末の販売拠点数は2019年末より195カ所減の2万9,773カ所で、2015年以来初めて減少となった。
CADAの調査では、経営赤字に転落したディーラーは全体の38.3%を占めた。仕入れ原価を割り込む安売りを実施したディーラーも多く、業界全体の売上高総利益率がマイナス3.5%に悪化しており、売れば売るほど、赤字が膨らむ厳しい赤字経営に陥っているという。
CADAレポートによれば、「2020年の中国自動車市場が拡大する」と見込むディーラーは全体のわずか29.0%で、残りは「縮小する」とみている。とりわけ、「減少幅15%以上」と予測するディーラーは全体の43%を占めた。CDMAは、自動車ディーラーが販売拡大のためのさらなる値下げに動くことが想定されるため、下半期も楽観視できないとみている。
(劉元森)
(中国)
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