第2四半期の実質GDP成長率、前年同期比マイナス0.58%、2020年通年予測を1.56%に下方修正

(台湾)

中国北アジア課

2020年08月21日

台湾行政院主計総処(以下、主計総処)は8月14日、2020年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率を前年同期比マイナス0.58%と発表し、2020年通年予測を1.67%から1.56%へ下方修正した(添付資料図1、図2参照)。

第2四半期の実質GDP成長率を需要項目別寄与度でみると、内需はマイナス0.52ポイントと、前期の1.57ポイントからマイナスに転じた(添付資料表参照)。主計総処によると、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた第2四半期は、各国の出入国規制などにより海外での消費が大幅に減少し、民間消費の寄与度はマイナス2.61ポイントと大幅に縮小した。第1四半期(1~3月)に続いてサービス消費が軒並みマイナスとなる一方、「巣ごもり消費」が旺盛で、オンラインショッピングやテレビショッピングなどの電子商取引が好調だった。

外需の寄与度もマイナス0.06ポイントと、前期の0.62ポイントからマイナスに転じた。このうち、輸出はマイナス2.21ポイント、輸入はマイナス2.15ポイントとなった。海外需要が引き続き減少し、原材料価格が下落したことが要因だが、新型コロナウイルス感染拡大に伴うリモートの商機拡大を受け、半導体や情報通信機器、第5世代移動通信システム(5G)技術応用商品などへの需要が増加し、減少分の一部を相殺した。

主計総処は2020年下半期(7~12月)の成長率を2.29%、2020年通年の成長率を5月発表時の1.67%から1.56%へ下方修正した。民間消費は、上半期に海外渡航と海外消費が激減、台湾当局による各種支援や消費振興措置などがマイナスの影響を一部相殺するものの、通年をマイナス1.44%と予測した。民間投資は、域内半導体メーカーの継続的な設備投資や台湾企業による回帰投資の実施、洋上風力発電や太陽光発電などグリーンエネルギー施設の増設、通信事業者による5Gインフラ構築の加速などにより、通年を2.41%との見方を示した。下半期の対外貿易は半導体、情報通信機器などの輸出拡大の継続や原材料価格の下げ止まりが見込まれるとした。

(北野真瑞)

(台湾)

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