UBS、アップルペイの取り扱い開始

(スイス)

ジュネーブ発

2020年08月26日

スイス最大の銀行のUBS銀行は8月18日から、アップルが提供するモバイル決済・クレジットサービスであるアップルペイの取り扱いを開始した。アップルは2016年にアップルペイをリリースして以降、スイス金融界での提携先を着実に増やしてきており、国内2位のクレディ・スイス銀行は既に2019年4月にアップルペイを導入している。今回のUBSとの提携により、アップルとしては州立銀行を含めて主要な金融機関との提携が実現し、スイス国内でアップルペイを導入していない大手金融機関はスイスポスト(郵便貯金)とライファイゼン銀行のみとなった。

スイスの金融機関はこれまで、モバイル決済手段としてチューリヒ証券取引市場を運営するSIXをはじめスイスの大手銀行などが出資するTWINTの決済アプリを採用しており、2020年1月時点で、TWINTのユーザー数は200万人に上る。スイス人の4分の1が利用している計算だ。外国企業のアップルなどが開発した決済サービスの導入には、その手数料の高さもあって消極的だった。その一方で、スイスではアップルのiPhoneの人気が高く、iPhone用アプリであるアップルペイは潜在的なユーザーが多い。

「ル・トン」紙(8月19日)は、アップルペイを決済の選択肢として求める顧客の要望が強まり、顧客サービス向上の観点からアップルと提携を決めるスイスの金融機関が増加したと分析している。

(和田恭)

(スイス)

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