欧州投資銀行、スウェーデンの電池メーカー・ノースボルトへの2度目の融資契約を締結

(EU)

ブリュッセル発

2020年08月06日

欧州投資銀行(EIB)は7月29日、スウェーデンのリチウム電池メーカーのノースボルトと、同社向けの3億5,000万ドルの融資契約を締結したと発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。今回の融資は「インベストEU」プログラム下の欧州戦略投資基金(EFSI)の枠組みで行われ、スウェーデン北部のシェレフテオに建設中のリチウムイオン電池セル工場の財政支援を行う。同社は車載用やグリッド・ストレージ、産業用アプリケーションなどに用いられる電池を開発しており、同工場ではこれら電池セルの主要な生産工場として、原料の加工やセルの組み立て、リサイクルなどを行う。立ち上げ段階で年間16ギガワットの生産能力を備え、その後、40ギガワットまで拡大する予定だ。今回の融資計画は2019年5月に承認されており(2019年5月27日記事参照)、EIBのノースボルトへの融資は、2018年2月(2018年2月27日記事参照)に続き2回目となる。

「欧州バッテリー同盟」の中心プロジェクト

欧州委員会は2017年に「欧州バッテリー同盟(EBA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を結成し、電気自動車(EV)用電池など戦略分野におけるEU域内産業の競争力強化を目指し、EU域内企業によるEV用電池の生産プロジェクトを相次いで立ち上げている。EBA主導のプロジェクトの中でも、ノースボルトはEU域内の電池産業育成の要となる企業として位置付けられている。

今回のEIBの発表に伴い、欧州委のマレシュ・シェフチョビチ副委員長(EU機構関係・将来展望担当)は「EIBと欧州委はEBAの戦略的パートナーであり、ノースボルトはリチウムイオン電池用の大規模工場を欧州に最初に建設する企業として、われわれの先駆者となっている。この計画への支援を通じて、主要産業や技術分野での欧州のレジリエンスと戦略的自立性を高める」と、同社への期待をにじませている。

(大中登紀子)

(EU)

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