JERA、ガス火力発電事業開発のための融資契約を締結

(バングラデシュ)

ダッカ発

2020年08月21日

国内外で火力発電や再生エネルギー事業などに取り組むJERA(本社:東京都)は7月31日、総額6億4,200万ドルのプロジェクトファイナンスによる融資契約を銀行団と締結し、バングラデシュで進めているガス火力発電事業の本格工事の段階に入った。

この事業にかかるプロジェクトファイナンスは、国際協力銀行(JBIC)やアジア開発銀行(ADB)、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、ソシエテ・ジェネラル銀行を含む国内外の金融機関との間で調整され、日本貿易保険も融資保険により参画している。これまでのバングラデシュのインフラ開発における日系企業参画の主流は円借款事業(注)だったが、今回、民間投資ベースでのプロジェクトファイナンスが実現した。

本事業は、同社とリライアンス・パワーが共同出資するリライアンス・バングラデシュ LNG&パワーを通じて、首都ダッカから南東約40キロに位置するメグナガート地域に、出力74.5万キロワット(kW)のガス火力発電所を建設・所有・運営する仕組み。発電する電力はバングラデシュ電力開発庁との長期売電契約に基づき、商業運転開始予定の2022年から22年間にわたって売電される予定だ。

新型コロナウイルス感染拡大前は、バングラデシュは年間8%の経済成長を実現しており、電力・エネルギー省は、2021年の電力需要を20ギガワット(GW)と推計する。JERAは、堅調な経済成長が期待できるバングラデシュを重点投資対象国の1つと位置付けており、同社事業開発本部海外発電・エネルギーインフラ開発部の辻村将史氏によると、「今後も発電・インフラ事業の参画を通じてバングラデシュの経済発展に貢献するとともに、市場動向や収益性、リスクなどに留意しながら、積極的に海外発電事業を拡大することで、企業価値の向上を目指す」としている。

(注)日本政府が開発途上国の発展のため、低利かつ長期の開発資金を相手国政府に貸し付けることにより、実施されるプロジェクト。

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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