オークランドの外出制限、8月26日まで延長

(ニュージーランド)

シドニー発

2020年08月21日

ニュージーランドでは、102日ぶりの市中感染発生に伴い、4段階ある新型コロナウイルス警報レベルが8月12日から3日間引き上げられていた。この措置について、ジャシンダ・アーダーン首相は14日、さらに12日間延長して26日午後11時59分まで継続すると発表した。現在、市中感染が確認されたオークランドをレベル3に、それ以外の地域をレベル2に引き上げており(2020年8月12日記事参照)、それぞれのレベルを維持する。首相は警報レベルの設定について、現時点では最高位のレベル4に引き上げる必要はないと強調し、21日に再度見直しを行うと説明している。

オークランドでは、食料品調達などのための必要不可欠な外出以外は自宅にとどまり、可能な限り在宅勤務を行うこととされている。オークランド以外の地域では、ビジネスや学校などは継続できるが、社会的距離を保ち、衛生基準を守り、接触記録を残すことが求められている。政府は移動履歴の記録を確実にするため、5月に公開した接触追跡アプリ「NZ COVID Tracer外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で読み取るQRコードの表示を義務化する。企業や施設は8月19日正午までにQRコードを表示したポスターの掲示を各施設の正面玄関またはその近くの目立つ場所に行う必要がある。

制限措置の延長を受け、グラント・ロバートソン財務相は14日、9月1日を申請期限としていた賃金補助制度を延長する意向を表明し、17日にその詳細を発表した。「再起賃金補助(Resurgence Wage Subsidy)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」と名付けられた今回の制度では、8月12日から9月10日までの間の少なくとも14日間で、前年の同時期と比較して収益が40%以上減少したか、減少が予想される場合に、2週間の給付を受けることができる。

総選挙を4週間延期

また、アーダーン首相は8月17日、9月19日に予定されている総選挙を10月17日に実施すると発表した。4週間の延期によって、安全に選挙が実施できるよう準備を整えることができるとしている。なお、首相は「選挙日程を再び変更することはない」と強調した。

(住裕美)

(ニュージーランド)

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