ミラノウニカ、展示会のデジタルプラットフォーム開発

(イタリア)

ミラノ発

2020年08月12日

テキスタイルの世界的な見本市「ミラノウニカ」は8月4日、独自のオンライン展示会プラットフォーム「e-MilanoUnica Connect」を開発したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。新型コロナウイルスの影響でリアルの商談機会に制限がかかっている中、デジタルツールを活用した新たなサービスを展開する。

このプラットフォームは、出展企業と製品の中から指定の項目にフィルターをかけ、希望の製品や企業を迅速かつ正確に探し出せる検索機能や、商談をしたい相手にコンタクトを取ってチャットやビデオ通話を行う機能などを備えている。全て1つのプラットフォーム上で完結する。

また、サイト上で閲覧できる出展企業情報には段階を設けている。登録者は、各企業の主要情報などにはアクセスできるが、完全版の製品カタログを閲覧したい場合は、出展者にアクセス権限を求める必要がある。出展者側が許可を出すと専用エリアに接続でき、製品の閲覧や気になった商品の保存、サンプル提供の依頼などが可能となる。

展示会のオンライン化は、イタリアではピッティ・インマージネ(以下、ピッティ、注)が先行して取り組んでおり、今回発表された「e-MilanoUnica Connect」はピッティとのパートナーシップの下で開発された。ピッティはオンラインプラットフォーム「Pitti Connect」を既に立ち上げており、7月から運用を開始した。コンテンツの内容は似ているが、「e-MilanoUnica Connect」の場合、現状ではプラットフォームへのアクセスはミラノウニカが選定した出展者とバイヤーに限定しているのに対し、「Pitti Connect」は出展者の基本情報を広く公開している。

ミラノウニカは通常年に2回開催され、次回は9月の予定だ。現段階では、既存のリアルでの展示会と、今回開発された「e-MilanoUnica Connect」が実際にどのようにリンクして運用されるのか明らかになっていないが、ミラノウニカは「『e-MilanoUnica Connect』は物理的およびバーチャルの展示会を融合し、いつでも、どこからでもアクセスできる様相にしていく」としており、オンラインとオフラインの空間における最適なバランスを模索していくものとみられる。

写真 従来のミラノウニカの様子(同見本市主催者提供)

従来のミラノウニカの様子(同見本市主催者提供)

(注)同じくイタリアで開催されるファッションの主要展示会。紳士服、子供服などのカテゴリー別に、主にフィレンツェで開催されている。

(山崎杏奈)

(イタリア)

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