米ロングビーチ港、月間コンテナ取扱量が過去最高に

(米国)

ロサンゼルス発

2020年08月27日

米国最大級の貿易港であるカリフォルニア州ロサンゼルス港とロングビーチ港の両港湾は、それぞれ7月のコンテナ取扱量を発表した。ロングビーチ港(8月14日発表)の取扱量は前年同月比21.1%増の75万3,081TEU(注)となり、2018年6月に記録したそれまでの最高75万2,188TEUを抜いて、過去最高を記録した。ロサンゼルス港(8月13日発表)の取扱量は6.1%減の85万6,389TEUで、2020年では最高、同港史上7位の取扱量となった。

2020年1~7月のコンテナ取扱量累計では、ロングビーチ港が前年同期比2.8%減の418万6,115TEU、ロサンゼルス港が15.3%減の461万8,278TEUと、いずれも2019年同期の水準を下回っているが、7月の好調で取扱量は少し持ち直したといえる。

ロングビーチ港はプレスリリースで、7月の取扱量が好調だったことの理由として、新型コロナウイルス感染拡大により在宅を継続することで、オンラインサイトを利用した購入が増加したことや、2020年初めにキャンセルとなった運航便を埋め合わせるための臨時船舶数が短期的に増加した点を挙げた。また、同港のマリオ・コルデロ局長は、新型コロナの影響で積み上がった繰り越し(ペントアップ)需要を好調の理由に加えた。

ロサンゼルス港も堅調に推移

ロサンゼルス港のジーン・セロカ局長は、同港での運航便のキャンセルが7月には少なかったことや、予定されていたコンテナ船に加えて、11隻の予定外のコンテナ船を受け入れたことが取扱量を押し上げたと述べている。

今後の見通しについてセロカ局長は、新型コロナによる感染の第2波や、トランプ政権の通商政策などによる世界貿易の不確実性の高まりを不安視しつつ、「8月の取扱量の速報データは堅調で、小売業が在庫を再び補充し、年末商戦の準備を続けている状況を反映している」と述べている。

(注)1TEU:20フィートコンテナ換算。

(浅井康孝)

(米国)

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