約4割の企業が政府の支援策を活用

(オーストラリア)

シドニー発

2020年08月05日

オーストラリア統計局(ABS)は7月30日、新型コロナウイルスによる企業への影響を聞く6回目のアンケート調査の結果を発表し、42%の企業が政府の支援策を活用していることを明らかにした。

ABSは7月15~23日に、オーストラリアで事業を行う2,000社を対象にアンケート調査を実施し、約半数の997社から回答を得た。賃金補助、ローンの返済猶予、賃料の減免交渉など、政府の支援策を活用している企業は、従業員20~199人の企業で最も多く53%となり、従業員19人以下の企業は42%、200人以上の企業は38%が活用していると回答した。また、政府の支援策が利用できなくなった後の対応について尋ねると、「投資計画の延期または中止」が最も多く16%で、「在庫や原材料などの発注数の変更」(14%)、「労働力の削減」(13%)と回答する企業も多かった。なお、10%の企業は、支援策が利用できなくなった場合には、事業を閉鎖すると回答しており、宿泊・飲食サービス業(23%)、運輸・郵便・倉庫業(18%)でその割合が高かった。

回答企業の47%は、過去1カ月の収益が減少したと回答しており、次の1カ月も減少すると予測した企業は27%だった。約半数(49%)の企業は、次の1カ月の収益は現状から変わらない見込みだと回答した。また、80%の企業は、過去1カ月の従業員数に変化はないと回答しており、減少したと回答した企業は13%だった。85%の企業は、次の1カ月も従業員数に変化はないと予測しており、減少すると予測した企業はわずか3%だった。ただし、従業員200人以上の企業は、過去1カ月および次の1カ月における従業員数が「減少する」と回答した割合が高く、それぞれ26%、13%となった。回答企業の多くは、今後の見通しは、政府の制限措置、特に社会的距離制限と移動制限の変更に大きく影響を受ける、とのコメントを寄せている。

(住裕美)

(オーストラリア)

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