日本とシンガポールのビジネス相互渡航再開、両外相が合意

(シンガポール、日本)

シンガポール発

2020年08月19日

茂木敏充外相は8月13日、シンガポールを訪問し、ビビアン・バラクリシュナン外相と会談、ビジネス上必須な相互出張を認める「ビジネストラック〔相互グリーン・レーン(RGL)〕」と、駐在員などを念頭に置いた「レジデンストラック」について、それぞれ9月開始を目指すことで合意した。

RGLは、短期滞在のビジネス関係者が必要な公衆衛生上の措置を取りつつ、入国してから14日間は定められた日程に従うという方式。両国は事務レベルにおいて9月上旬までの最終合意を目指す。シンガポールは8月14日現在、中国とマレーシアの相互渡航についてRGLを設置している。また、レジデンストラックは、経営幹部および専門人材(「ワークパス」保持者)など駐在員などを念頭に置いたもので、それぞれの国に入国した際に14日間の自宅などの待機措置を含む必要な公衆衛生上の措置を取り、両国間の往来を可能とするものだ。両国は同トラックについて9月までの立ち上げを目指す。両スキームに基づく渡航手続きの詳細については決定次第、日本外務省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと、シンガポール移民局(ICA)の海外渡航に関する情報ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載される予定。

シンガポールのリー・シェンロン首相は8月13日、自身のフェイスブックで日本とRGL設置について、「新型コロナウイルスは依然、危機的な状況であるため慎重に進めている。しかし、他国との接続再開に向けた重要な一歩だ」と述べた。

新型コロナウイルスのワクチン供給を保証する「COVAXファシリティ」に関する認識で一致

一方、両外相は同日の会談で、新型コロナウイルスのワクチンの公平なアクセスを保証する「COVAXファシリティ」が重要な取り組みだとの認識で一致した。また、会談では、ASEAN感染症対策センターの早期設立と、危機に強い経済構築に必要なサプライチェーン機能を強化し、デジタル協力を推進していくことで一致した。

(藤江秀樹、本田智津絵)

(シンガポール、日本)

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