ブータン全土でロックダウン開始

(ブータン)

ニューデリー発

2020年08月19日

ブータン政府は8月11日、同日から全土ロックダウンを実施すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。首都ティンプーやパロなどを含め、複数の都市において人々と接触歴のある20代の女性が、ブータン南部の町ゲレフで新型コロナウイルスの陽性が判明したことを受けての措置。この女性は6月下旬にクウェートから帰国していた。

政府はロックダウン措置において、県内や県を越える人と車両の移動を制限、全ての国民にステイホームを要請した。学校やオフィス、商業施設などは閉鎖される。ロックダウンの間、政府は感染の疑いがある対象者全員への検査を実施し、濃厚接触者の隔離措置や陽性となった患者の治療などを確実に実施するという。また、全ての県で必要な食料の供給が行われ、必要かつ緊急の医療サービスは提供されるという。政府は適切な措置を確実に実行するため、首相をトップとした新型コロナウイルス対策タスクフォースも立ち上げた。

また同日、政府は国民に向け、ロックダウンの内容を分かりやすく解説した資料『Essencial Information of LockdownPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)』を発表した。これによると、ロックダウン中も自身の敷地内であれば移動は可能、他の世帯の人々と接触がない範囲での家畜の放牧や作物の世話などは可能、とされた。また、国民に対して2週間分の生活必需品を確保することや、心身の健康に気を配りながら家族と過ごし、遠方の家族や友人らとはソーシャルメディア(SNS)などインターネットを通じて交流を図るよう、呼び掛けた。ロックダウンの期間は決まっておらず、状況をみて判断し、政府から今後の措置は発表されるもようだ。

なお、ブータンでは、8月11日時点で累積感染者は113人、死者は確認されていない〔世界保健機関(WHO)〕。

(磯崎静香)

(ブータン)

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