連邦参事会、旅行代理店の債権回収猶予を年末まで延期

(スイス)

ジュネーブ発

2020年08月31日

スイス連邦参事会(内閣)は8月26日、新型コロナウイルス感染防止のための行動制限措置などにより苦境に陥っている旅行代理店に対して、債権回収などの猶予を認めた政令の期限を9月30日から12月31日に延長することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

連邦参事会はこれまで、新型コロナウイルス対策で産業界に前例のない規模の支援を行っており、基金や債務保証などの総額は700億スイス・フラン(約8兆1,900億円、CHF、1CHF=約117円)に上る。しかし、自主隔離や国境封鎖といった対策措置の影響を受ける旅行代理店業界は特に影響が深刻なため、参事会は7月初旬に経済教育研究省(DERF)に対して、同業界に必要な追加支援策を検討するよう指示を出していた。それを受けて外部調査を行った結果、旅行代理店に対する債権回収の猶予を12月末まで延長するほか、感染リスクの高い国からの帰国者に対する新型コロナウイルス検査を増強することによる自主隔離義務の解除、個人事業主に対する部分休業の給付延長、つなぎ融資の増額などが提言された。連邦参事会は外部調査の結果を踏まえて、旅行代理店業界に対して、債権回収の猶予を認める法案の期限を延長することを決定した。

(和田恭)

(スイス)

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