チェコ外務省、チェコ企業向けの輸出戦略便覧を公表

(チェコ)

プラハ発

2020年08月13日

チェコ統計局の発表(8月6日、速報値)によると、2020年上半期(1~6月)の輸出は前年同期比13.6%減の1兆6,244億コルナ(約7兆7,971億円、1コルナ=約4.8円)、輸入は11.4%減の1兆5,739億コルナとなり、貿易黒字額は505億コルナで、541億コルナ減少した。

チェコ輸出者連盟は、2020年のチェコの輸出額は前年比16%減少(約5,000億コルナ)、また貿易黒字額は80%減少して約200億コルナに落ち込むとの見通しを示している。同連盟のオットー・ダニェック会長によれば、この予想は新型コロナウイルス感染の第2波、第3波がないこと、およびドイツ経済が期待どおりに回復することを前提としたもので、これらの条件が満たされない場合には、輸出減少額はさらに増えて、貿易赤字に転じることも考えられるとしている。また、現在、チェコ・コルナ相場は急上昇傾向にあるが、こうした為替の変動が多大な影響を及ぼす可能性もある、と指摘している。

このように不安定で先が予想しにくい状況下、チェコ外務省とチェコ輸出者連盟の共催で「チェコ輸出フォーラム」が7月29日にプラハで開催された。同フォーラムでは、外務省のマルティン・トラパ副大臣が、輸出相手国の正確かつ最新の情報を用いて業界ニーズを満たすことを目的に、同省が作成した「2020~2021年戦略的ビジネス・チャンス便覧」を公表した。これは世界83カ国を対象に、各国の経済の現状を分析し、チェコ企業の視点から、「コロナ禍」後の各国市場進出、あるいは輸出拡大の機会を展望、提案するものだ。

この資料の中で、日本に関しては、企業支援に加えて雇用の維持および日本経済を支える土台の1つとなっている家計消費の支援が、政府の優先事項に掲げられていることなどが紹介されている。

日本市場への進出あるいは輸出増が期待できる分野としては、エネルギー、情報通信技術(ICT)、娯楽、および医療・医薬品の4部門が挙げられている(添付資料表参照)。

(中川圭子)

(チェコ)

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